ルクセンブルグ出身の新進気鋭作家ツェ・スーメイ(Tse Su-Mei、1973年生れ)の日本初の個展です。
彼女は2003年のベニスビエンナーレでルクセンブルグ館に金獅子賞をもたらして以来、世界各地の個展や企画展に招待されている、今もっとも注目すべきアーティストです。
イギリス人ピアニストの母と中国人バイオリニストの父の間に生まれ、自身もチェロ奏者でもあるスーメイは、音楽や音、東西文化やアイデンティティをテーマとした作品を作っています。
本展は、こうした真摯なテーマを知的なユーモアを交えてスマートに表現した、ビデオインスタレーション、彫刻、写真などにより構成されます。
ツェ・スーメイ
2009年2月7日(土)~5月10日(日)
月曜休館。ただし5月4日(月・祝)は開館
出品予定作品
東西南北 Dong Xi Nan Bei (E, W, S, N)
ネオン管でできた「東西南北」(漢字)のインスタレーション。東
洋の文化に対する興味を感じさせる作品。
視線の基準 standard eye level
中国の纏足のように、ストッキングで盆栽の根を包み、展示する地域の人々の視線の高さに合わせて展示した作品。
名人-川端康成に捧ぐ The Master of Go (after Yasunari Kawabata)
川端康成の小説『名人』に触発されて作った写真作品。小説に描かれた棋士たち、碁という文化、そしてこの静寂な戦いを格調高く描く小説家、それぞれの高度な精神活動をテーマとしている。
鳥かご Bird Cage
ネオン管でできた鳥かご。開いた扉には自由への願いが感じられる。
平均律クラヴィーア曲集 Das wohltemperierte Klavier
指を固定されたままクラヴィーア曲集を弾く様子を写したビデオ作品。演奏者でなければわからない生みの苦しみを感じさせる作品。
自閉症的アーティスト Le musicien autiste
自分が奏でる音楽がそのまま自分の耳に戻ってくるような形の楽器をモチーフにした写真作品。
多くの言葉 Many Spoken Words
噴水型の大型作品。今回のための新作。
ヤドリギ楽譜 Mistelpartition (Mistle Score)
球状の束になったヤドリギの枝を音符に見立て、クラシック音楽を奏でるビデオ作品。
キツツキ 1974- the woodpecker 1974-
爪をかむ癖をキツツキのようだと言われたところから、キツツキが足を踏ん張るように指を開いて撮った写真作品。
Snowに関する1000の言葉 1000 words for snow
本編が始まる前のレコードの音や放送終了後のテレビの音など、無音とされているけれども実際には聞こえている雑音(Snow)を流す、床のインスタレーションとセットの大型作品。
MP3 Oerchen
「Snowに関する1000の言葉」と関連した耳の形をした彫刻。
不眠症の治療 Son pour insomniaques (Sound for insomniacs)
肖像画のような猫のアップの写真とそれぞれの猫の喉を鳴らす音を聴かせる作品。リラックスした猫の喉の音は人をリラックスさせるという。
冷蔵庫 Le frigo
扉を開くと庫内灯が消え、閉めると点く、通常とは逆の動作をする冷蔵庫と壁のレタリングによるインスタレーション。
ウエイティング・ラヴァーズ Waiting Lovers
花占いの花びらように棘を切られたサボテンによるインスタレーション。フェリックス・ゴンザレス・トレスへのオマージュ。
now=now
点滅する「now」の掲示板。
エコー L'??cho
美しい景色のなかで演奏している彼女のチェロの響きが、やまびこのように数秒遅れてリピートされ、まるで崇高な山々と演奏者が交感しているかのよう感じさせる雄大で美しいビデオインスタレーション作品。
ジャガイモと私 Das Ich jeder Kartoffel
セラミックのジャガイモの中に本物のジャガイモを紛れ込ませ、アイデンティティについて考えさせる作品。
SUMY
貝を使ったヘッドフォン型の彫刻。家電メーカーと自分の名前をかけている。展示を予定しているのは、前回来日時に大洗で購入した貝による新しい作品。