日記としての価値以上に、歴史書・科学的記録としても価値がある。ただし、漢文で記されていて難解な部分が多い。 また、定家自身の体験に基づいていない記録も含まれる。例えば、1054年のかに星雲の超新星爆発は、定家誕生以前の出来事であるが伝え聞いた内容として以下のように記載されている。
後冷泉院・天喜二年四月中旬以後の丑の時、客星觜・参の度に出づ。東方に見(あら)わる。天関星に孛(はい)す。大きさ歳星の如し。(原文読み下し)
日記の主な部分は冷泉家時雨亭文庫に残り、芸林荘・東京国立博物館・京都国立博物館・天理図書館にもある。また歌道、書道の流れでの定家への多大な尊崇から早くから広く分散し、掛け軸などとして諸家に分散しているものも少なくない。
一部分が国宝に指定されている。
[編集] 写本
冷泉家時雨亭文庫に残る原本は掛け軸等にするため切り取られている部分が多いため、研究などには一般には原本に近いとされる徳大寺家本が使用されている。翻刻本が出版されている。
* 尾上陽介編 『明月記』 ゆまに書房
o 第1巻、2005年1月。 ISBN 9784843312551
o 第2巻、2005年1月。 ISBN 9784843312568
o 第3巻、2005年3月。 ISBN 9784843312575
o 第4巻、2005年3月。 ISBN 9784843312582
o 第5巻、2005年9月。 ISBN 9784843312599
o 第6巻、2005年11月。 ISBN 9784843312605
o 第7巻、2005年12月。 ISBN 9784843312612
o 第8巻、2006年3月。 ISBN 9784843312629
[編集] 参考文献
* 明月記研究会編 『明月記研究提要』 八木書店、2006年11月。 ISBN 9784840620246
* 稲村榮一『訓注明月記』 全8巻索引2巻 松江今井書店 2002年12月
* 『明月記』全3巻セット 国書刊行会 1987年
* 今川文雄訳 『訓読明月記』河出書房新社 全6巻 1979年
凉秋九月月方ニ幽ナリ―平安文化の最後に大輪の花を咲かせ、その終焉をも見とどけた藤原定家。源平争闘の中に青春期を持った彼は、後半生でもまた未曾有の乱世に身をおかねばならない。和歌を通して交渉のあった源実朝の暗殺、パトロンであり同時に最大のライヴァルでもあった後鳥羽院の、承久の乱による隠岐配流。定家の実像を生き生きと描きつつ、中世動乱の全容を甦らせる名著。続篇は定家壮年期から八十歳の死まで。
定家明月記私抄 続篇 (ちくま学芸文庫) (文庫)
堀田 善衛 (著)