芸術家が仕事から得る喜びがなければ、自殺に駆り立てるであろう | ノイズのなぐさめ

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歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

偉大な芸術家や偉大な科学者は、それ自体、自らに喜びを与える仕事をしている。そういう仕事をしている限り、尊敬を受ける価値がある人びとから、自分(たち)に対する尊敬が確保され(注:つまり、尊敬してもらいたいと思わない人は除外)、それによって、それらの人びとの思想・感情に対する影響力という、最も根本的な力が与えられる。彼らはまた、自分たちのことを立派な人間だと考える、最大限しっかりした根拠も有している。このような幸運な事情の結合は、いかなる人間も幸福にするのは当然である、と人は思うだろう。しかし、それにもかかわらず、実はそうではない。たとえば、ミケランジェロ(Michaelangelo)は、心の底から不幸な人間であった。そして、無一文の親類の借金を払わなくてよかったなら、苦労して芸術作品を作り出しはしなかっただろう(これは、私は、彼の本当の気持ちだとは思っていない。)と主張した。偉大な芸術を生み出す力は、いつもそうだと言うわけではないが、非常にしばしば'気質的な不幸'と結びついており、その不幸は大きなものであり、もしも芸術家が仕事から得る喜びがなければ、自殺に駆り立てるであろうほどのものである。それゆえ、私たちは、最も偉大な仕事でさえ人を幸福にするにちがいない、とは主張できない。ただ、そういう仕事は、人の不幸を軽減するにちがいない、と主張できるだけである。だが、科学者が気質的に不幸であることは、芸術家の場合よりもずっと少なく、概して、科学の分野で偉大な仕事をする人びとは、幸福な人びとであり、彼らの幸福は、第一に彼が携わっている仕事から出てくる。

ラッセル幸福論 (岩波文庫) (文庫)
B. ラッセル (著), 安藤 貞雄 (翻訳)