執拗に描いた裾花川周辺 | ノイズのなぐさめ

ノイズのなぐさめ

歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

 河野通勢(こうのみちせい・1895 ~ 1950)は、大正
期から昭和戦前期にかけて活躍した画家です。高橋由一
に学んだといわれる美術教師・写真師であった父河野次
郎(もと足利藩士)のもと で絵画を学び、早熟にして天
賦の才能をみせます。デューラーなどに影響をうけた細
密で存在感あふれる徹底した写実描写で知られる作風は
近代美術のなかにあって異彩を放つものです。二科会へ
の出品から、白樺派への接近そして岸田劉生の率いる草
土社へ参加、劉生死後は大衆小説の挿絵を精力的に制作
し、近代の画家として小説挿絵の草分け的な存在でもあ
りました。
 通勢の絵画は、「何でも描けた」と中川一政に言わしめ
た天才的な描写力とハリストス正教会の信者としての強
い宗教的な内面性をもちつつ、独特の空想的な物語を包
含するものです。それは、画集などをもとにした独学ゆ
えの特異なものでしたが、神的なものへの憧憬ともみえ
る精神性は、大正期の時代精神とも通底する生命主義を
感じさせます。
 近年になって、関係者のもとに大量の未発表作品が発
見されました。とくに十代から二十代にかけて執拗に描
いた裾花川周辺を題材にした初期風景画、そして聖書・
神話を題材にした作品群は圧巻です。
 本展は、代表作を含めながら今回の新発見の作品を中
心にして展示し、初期作品から制作のなかでひとつの区
切りとなった昭和前期までの、河野通勢の特色が明確で
あった時期にしぼって作品を構成します。大正期の美術
史のなかできわめて個性的な輝きをはなつ河野通勢の、
いままでにない姿を発見できることと思います。
 
■会  場 平塚市美術館
■主  催 平塚市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
■開催期間 2008 年2 月2 日( 土) ~ 3 月23 日( 日)
■開館時間 9:30 ~ 17:00( 入場は16:30 まで)
■休 館 日 毎週月曜日ただし2 月11 日( 月・祝) は開
      館、翌12 日( 火) は休館
  
■観覧料金 一般:200(140) 円/高大生100(70) 円
 ※( ) 内は20 名以上の団体料金
 次の方々は無料です。
 ○中学生まで、第2・4 土曜日の高校生
 ○平塚市民で身体障害者手帳・療育手帳等の交付を受け
  た方と付添1 名 ○平塚市民で60 才以上の方
■交  通
 JR 東海道線平塚駅( 東口改札) 北口より徒歩20 分。
 または、北口バスロータリー10 番のりばよりバス利用
 「美術館入口」下車、徒歩1 分。
■同時開催
 ○「ヴンダーリッヒの彫刻」 
  2008 年1 月26 日( 土) ~ 3 月30 日( 日)
■この他の巡回先
 足利市美術館 2008 年4 月5 日~ 5 月25 日
 渋谷区立松涛美術館 6 月3 日~ 7 月21 日
 長野県立信濃美術館 11 月22 日~ 2009 年1 月18 日
■お問い合わせ
 展覧会担当 土方明司
 〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
 TEL 0463-35-2111 FAX 0463-35-2741
 E-mail art-muse@city.hiratsuka.kanagawa.jp
 WEB www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/