バイオセンサー技術などを応用して自然環境との関係性を探る作品 | ノイズのなぐさめ

ノイズのなぐさめ

歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

2007年11月25日(日)午後2時より
アーティスト・トーク
マイケル・プライム
コンサート
マイケル・プライム+鈴木昭男

会場:ICC4階特設会場
定員:250名(当日先着順)
入場無料(展示をご覧になる場合は,別途入場料が必要です) 
日英同時通訳付
※出演者,内容は変更になる場合があります.詳細はホームページでご確認ください.

ICC企画展
サイレント・ダイアローグ――見えないコミュニケーション
Silent Dialogue

会期:2007年11月23日(金・祝)―2008年2月17日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーA

概要


NTTインタ-コミュニケーション・センター [ICC] では,企画展「サイレント・ダイアローグ――見えないコミュニケーション」を開催いたします.

わたしたちを取り囲む自然や環境はつねに変化しています.環境の変化とともに,そこに生息する生物のふるまいに注意を向けることは,同様にそこで生きるわたしたちにもたらされる何らかの作用や,ひいては,わたしたちと生態系全体との関係性を見いだすことにつながります.その意味で,わたしたちは,環境から絶えず何らかのメッセージを受け取っているのだ,と言うこともできるでしょう.

生物は,自然環境と関わり,そこから情報を得ることで,内部環境の恒常性を維持し,閉じた系(生態系)を形成しています.たとえば,ある生物とそれをとりまく自然環境を,その生物の立場から観察すると,それらが自身に備えたセンサーから得る環境情報を参照することができます.そこから見える世界は,わたしたち人間がとらえているものとはまったく異なるものに感じられるかもしれません.こうした植物や動物,昆虫などの生物同士のコミュニケーション,あるいは生物の生態を調査し,そのふるまいを参照することによって,人間がそれらとどのように関わることができるかを,新たな視点から探ることができるのではないでしょうか.

本展覧会では,このような「見えないコミュニケーション」に焦点をあてます.会場では,生体情報にもとづいて自然環境を可視化,可聴化したり,バイオセンサー技術などを応用して自然環境との関係性を探る作品が展示されるほか,コンピュータによって自然環境をシミュレートし,新しい「環境」のありかたを模索するような試みも合わせて紹介します.
そこから,わたしたちが何を感じ,何を知り,何を学ぶことができるのか,ということを考えるきっかけを提示したいと考えています.




展示予定作品


藤幡正樹+銅金裕司
《Botanical Ambulation Training 植物歩行訓練》新作
進化の過程において移動機能を捨て,環境に依存的ではありながらも,それを最大限有効に活用することによって適応することを選んだ植物.藤幡と銅金は,植物に移動手段を与えたらどのような反応をみせるのか? をテーマにコラボレーションを行なってきた.今回は,植物を三次元的に動かすことによって,「歩行訓練」を行なうという設定で作品を制作する.人間の脳波を測るためのマイクロボルトレヴェルのセンサーを用い,植物の状態は常にモニターされ,会場内に表示される.


藤枝守+銅金裕司
《Paphio in My Life》新作
銅金裕司の開発したシステム「プラントロン」を介在させたサウンド・インスタレーション.音に変換された植物の生体電位変化を「植物の声」とみなし,その「声」を聴き取ることで我々と植物の相互的な関係を考え,人と植物が共存するなかでの連鎖を感覚的にとらえ直すことによって,「生きている」という意味をあらためて問いかけようとする.
協力:株式会社アモネット,九州大学大学院芸術工学研究院藤枝研究室


クリスタ・ソムラー&ロラン・ミニョノー
《インタラクティヴ・プラント・グローイング》1992年
仮想三次元空間での植物の成長の原理と,リアルタイムに起こる変化や変異をテーマとしたインスタレーション.来館者は,設置されている生きた植物に近寄って触れ,その手を動かすことによって,プログラム化された仮想植物体の成長をコントロールすることができる.このように仮想植物を人工的に成長させることによって,つねに特定の生物の形質変換や形態発生によってしか定義されない,生命の原理を解き明かすことをめざしている.


ロイス&フランツィスカ・ヴァインベルガー
《ホーム・ヴードゥー I》2004年
《ホーム・ヴードゥー II》2004年
《チョウセンアサガオ》1996年
ドキュメンタリー・フィルム『Das Leben will leben: Die Kunst der Weinberger』2007年
ヴァインベルガーは,「……何も影響されていない場所とは,自由を意味する」という自らのスローガンに基づき,雑草が自然に繁茂する無秩序の庭を制作する.また「私のアイデアの運搬人や運搬車としての植物」の記録を,写真や地図に仕立てて提示する作品も制作している.今回は,植物と人間との関わりをテーマにした写真作品と映像作品を展示するほか,彼らを題材にしたドキュメンタリーも合わせて紹介し,作家の活動を概観する.


マイケル・プライム
《ハ,ハ! ユア・マッシュルームズ・ハブ・ゴーン?》2005年
原木に生えた椎茸の生体電位を音響として取り出した作品.展示空間内の人の動きを赤外線センサーで感知し,それに応じて椎茸の「音」が出力される.椎茸のかさが開きだしてから死ぬまでの1週間程度で,音は徐々に変化してゆく.もともと英国のアーノルフィニ・ギャラリーで開催された「Playing John Cage」展で発表された作品で,ケージがキノコの研究家でもあったことと,ケージが自身の生体活動の音を聴いたということにちなんで制作された.


安藤孝浩
《Bio Photon "Allelopathy"》新作
生体組織や細胞は,肉眼では認識できないような極めて微弱な光(生物フォトン)を放っている.この作品では,スーパーカミオカンデなどで使用されている光電子増倍管を用い,植物の種子の発芽に伴い発生する生物フォトンを検出する.さらに,検出された光子(光を粒子としてとらえたもの)の数を映像化し,プロジェクターでリアルタイムに投影する.今回は,複数の植物によって,光子の発生にどのような違いが出るのかを探る.


tEnt(田中浩也+久原真人)
《Call ⇔ Response》新作
鳥の発声器官である鳴管の構造を物理モデリングしたソフトウェアが,無数の鳥の鳴き声・鳴き方をシミュレーションにより生成出力し続ける(=Call).それに対し,自然界の鳥から応答(=Response)が検出された場合,ソフトウェア自身が学習プロセスを実行し,鳴き方を徐々に洗練・変化させていく.このプロセスを反復していくことにより,コンピュータと鳥の双方が影響を与えあい,人間の言語を超えた新しいコミュニケーション様式が発生するきっかけを作ろうとする試み.
技術協力:神山友輔
制作協力:財団法人国際メディア研究財団


リスニング・ルーム
植物の音や昆虫の音など,生物音響学や音響環境学にもとづいたフィールド・レコーディング作品を聴くことができるコーナー.