『灰色』

やせ細っていく体。

「食べろ食べろ」と

自分に言い聞かせるように、


無理やり口に入れて、


頑張って飲み込む。


おなかいっぱいになっても、


心では泣いているのに、


表では笑って。


また、頑張って食べる。


ラーメン。


ハンバーガー。


また、ラーメン。


間食を増やして、


たくさん食べて。


そしたら、いつか。



そう思っていた。


食べても、食べても、


僕の体は細くなっていく。


どんなに食べても、太くなれない。


痩せすぎたこの体を、僕はまだ受け入れられない。


「自分を受け入れよう」


「自分だけは、自分の味方でいよう」


そうしたい。


そうしようと思っている。


なのに――



……痩せていく。


どんどん、


骨が見えてくる。


腕時計をつけたときの違和感。


長袖を着たときの、

腕の違和感。


体を洗っているときでさえ、


「前とは違う」と気づいてしまう。


どんどん。


どんどん。


どんどん。


増えていく違和感。


もう、


どんな手を使っても


どうにもならないのかもしれない。


羨ましいな。


羨ましいな。


誰かの当たり前が、


僕には遠く見える。



それでも僕は、


生きたい。


誰かに幸せを届けたい。


助けが必要な人。苦しい辛い思いを抱えている人の手を…。


それは、


叶わぬ夢なのかもしれない。


そう思ってしまう。


僕は、


生きることに向いていないのかな。


灰色の景色の中で、


それでも僕は、


生きていたいと願っている。