義手のバイオリニスト、伊藤真波さんをご存じでしょうか。彼女は水泳で3度パラリンピックにも出場したオリンピアンでもあります。

 看護師を目指していた彼女は、20才の時に交通事故で右手を失いました。顔面もぐちゃぐちゃで、医師は彼女の顔写真を見ながらパズルのようにパーツを元の位置に戻すような手術をしたそうです。

 その彼女の講演会に行ってきました。

 講演が始まると写真動画はNGなのでその前に。


 あれ。よく見ると。。

 椅子が並べてありました。

 講演の一番最初に、地元の中高大学生たちとのアンサンブルがありました。彼女はもちろんバイオリンを演奏し、そしてアンサンブルを指揮していた人は。。

 なんと私の高校時代の同級生爆笑。今は地元短大で音楽を教えながら、その枠を越えて指導者として広く活動しています。
 アンサンブルのメンバーには、事故で歯を失った、将来プロを目指していたトランペット奏者もいました (確かひとみさんが昔ブログに書かれていた方ですよね照れ) 。

 彼女はとても明るい方で、講演も和やかな雰囲気で始まりましたが。。でも話の内容は壮絶なもので、彼女の話術が巧みなこともあって、会場にいた皆が彼女の話に引き込まれ、涙無くしてはとても聞けないものでした。
 この日、朝からどしゃ降りでジョギングに行けず、雨が上がったお昼頃にジョギングに行ったので、そこから間もない講演で、眠くなったらどうしようと不安だったのですが、眠気やダルさなんて一気に吹き飛ばされてしまいました。

 佐世保は2004年6月に小学生による同級生殺害事件があってからずっと、6月は「いのちを見つめる強調月間」です。(現在はタイトルを少し変えて「いのちかがやく強調月間」となっています)
 今回の講演会はこの一環として、教育委員会が主催したものでした。

 彼女の話は『命は、人生は、自分のものだけど、自分のものだけではない、家族や周りで自分を支えてくれている人達をも連動させるものだ』ということを強く訴えてきます。
 誰にも迷惑かけてないと母が止めるのも聞かずバイクを乗り回し事故に遭った自分が、どれだけ周りを傷つけ苦しめたか。
 自分に憧れてバイクに乗り始めたが為に事故に遭った娘に、父親はどれ程の自責の念にかられたか。
 事故に遭うその日、優しく行ってらっしゃいと声をかけてあげられなかったと、母親がどれ程後悔したか。
 聞いていてこちらも堪らなくなりました。

 しかし。彼女は強かった。
 もがき苦しみながらも周りの人たちの気持ちを大切にするために、強くなる決意をし、人生を立て直したのです。
 40才になった彼女。片腕で3人の子育て中のママですキラキラ。私なんて娘一人に振り回されてきたのに。。アセアセ

 ただ「感動的でした」というには薄っぺらい、もっと心の奥底に響く、胸が震えるひとときでした。