キュリー夫人といえば、小学生の頃教室の棚の後ろに並んでいた伝記ものシリーズに必ず名前があった科学者です。
 彼女は1903年にノーベル物理学賞、そして1911年にはノーベル化学賞を受賞します。物理学賞の受賞理由は放射能の研究の功績であり、ノーベル化学賞の受賞理由は放射性物質の一つであるラジウムの発見とその性質及び化合物の研究です。
 また彼女は放射能という言葉の発案者でもあります。

 ノーベル賞を2つも受賞するなんて、とても輝かしい人生です。
 しかしラジウムが生物組織に影響を与えるということが徐々に知られてきたのは、第一次世界大戦後のことであり、それでも今ほど恐ろしいものだとは知られていませんでした。
 よって、その放射性を遮断する手立てをほとんど行わずに彼女はそのラジウムを扱い続け、大量の放射線を浴び、それが原因で亡くなってしまいます (もっとも彼女自身は、放射線被曝による健康被害については決して認めようとしませんでしたけどね) 。

 でもそれだけでラジウムの悲劇は終わりませんでした。

 ラジウム・ガールズという女性たちがいたことをご存知でしょうか。
 ラジウムという物質は自ら発光します。ラジウムが発見されてから、その性質を利用し、時計の文字盤をラジウムで描き、針にラジオを塗るということが盛んに行われました。そしてその作業に、たくさんの女性たちが起用されました。
 彼女たちは、その作業を殆ど素手で行ったのです。ラジウムが放つ放射線が人体に影響を与えるということは、当時労働者の間ではそこまで知られていなかったのです。
 その結果、彼女たちの指は壊死し、切断しなければならない事案が多く発生してしまいました。
 
 放射性物質を使った製品で有名なものといえば、放射性物質の一つである放射性ウランが微量に使われているウランガラスというものが製造・販売されています。 
 こちらはラジウムと違って自ら発光はしないのですが、暗闇で光を当てると青や緑に輝きます。それが大変美しく人気ですね。ちなみにこのガラスに含まれている放射性ウランについては、人体には影響はないと言われています。

 

 放射線は。
 諸刃の剣ですね。皮膚疾患や悪性腫瘍を治療することも可能にする一方、人体の正常な組織を破壊し、死に至らせるものでもあります。

 原子力発電所も、地震等でその正常な稼働が危ぶまれたり、施設が損傷を受けると、周りに及ぼす影響は計り知れないほどに大きいものです。
 しかしその発電方法は、地球温暖化には殆ど影響を与えないものであり、今のこの地球上で起こっている 異常な気温上昇を押さえるためには、その稼働もやむを得ないところまで来ているようです。

 原子力発電所の稼働には断固反対しながらも、プラスチック製品を多量に使い、ガソリン自動車を乗り回す行為は、私には矛盾しているように思えてなりません。
 先日パキスタンでの大規模な洪水が起こり、たくさんの人々が亡くなり、今はコレラの蔓延に苦しんでいますが、今度はリビアでまた洪水です。
 日本から遠く離れた異国で起きていることですが、地球温暖化が原因で、同じ地球上で起きている異常気象です。

 日本は、国民1人当たりの温室効果ガスの排出量は、中国のそれを上回るダメダメ国です。
 私達の今の便利な生活が、リビアやパキスタンの人々を死に至らしめていると言っても過言ではないと思います。リビアなんて。。砂漠の国ですよ。
 スーパーに行って、1人分にちょうど良いような少量のおかずがパックされたお惣菜のプラスチックケースが、毎日大量に並んでいるのを見ると、いつも憂鬱な気分になります。  
 こんなもの、とても見せられたものではないと。ここまでひどいのは日本くらいです。

 日本人は、自己中でわがままで。。情けないですね。