重松清さんによるドキュメントノベル。被災地への徹底的な取材をもとに書かれた、ノンフィクションな部分とフィクションな部分が混在している本です。















私の印象では、重松清さんのお書きになる小説の世界は、映画『33丁目の奇跡』のような、古きよき懐かしい、昭和の香りが漂う世界です。そこには口下手で、でも心の温かい頑固オヤジがよく登場します。なので、重松さんのことも、なんとなくそういう時代を生きたお父さんのようなイメージで捉えてしまいます。
しかし実際の重松清さんは、まだ50代半ばで、そのようなお父さんと比べると、まだ随分お若いのです。この本では、その等身大の重松さんの姿が映し出されていて、
『そうだよなぁ。まだまだこんな風に、精力的にお仕事をこなされる方なのよね。。』
ということを、改めて思いました (重松さんゴメンナサイ
)。

ドキュメントノベルですので、中身ついてどうこう申し上げることはとても難しいです。でもこの本の中には、実際に被災地を回り、地元の人と話をして初めてわかる思いや事実が、たくさん詰まっています。表には現れない厳しい現実や悲しい思いも、たくさんあります。重松さんは、それを丁寧に丁寧にすくい取っておられます。
いろんな災害で被災をした、その土地の現状やそこに住む人々の思い、厳しい現実を知ることはとても大切です。しかし、私たち全員がその被災地に赴くことは、現実としては不可能です。代表して発信される色々な情報を、私たちは受け止めるしかありません。それを考えた時に、やはり作家さんは言葉を操るプロですので、このような方が被災地に赴かれ、自らの言葉で、自分の見聞きしたご体験をお書きになることは、とても意味のあることだと思います。彼の中から紡ぎ出される言葉の力というものが、私たちの心を強く揺さぶり、私たちの心に強く響くのだと思います。
受け止めるべき、心に刻むべき厳しい現実が、たくさん書かれています。一人でも多くの方がこの本を手に取られることを、私は願っています。
。。。ですが。
色々なご事情、ご自身のご体調のことやご家庭の事情などで、本を手に取ることや、まとまった長い活字を追うことが難しい方もおられると思います。
なので、これからこの本を手に取って見ようと思っていらっしゃる方には申し訳ないのですが、私が一番心に残ったところを一つだけ書いておきたいと思います。
フリーライターである主人公が、取材に同行している、不登校になってしまった中学生に向かって語ったセリフです。
希望の地図を作るということは絶望の地図を作るということでもあるんだ
大切な人の命、思い出の場所、当たり前の生活。
失われたものは二度と元には戻りません。その事実を受け入れ、代わりとなる新しいものを作り、そこにまた、新たな命を吹き込むしかありません。失われたものが大きければ大きいほど、再生までの途方もない道のりに、希望の光を見いだすことが永久に困難であるかの様に、思われたのかも知れません。
重松さんはこの台詞に、『二度と元には戻ることのない大切なもの』への、ありったけの愛を、込められたように思いました。それらが確かに存在していたことを、僕は絶対に忘れないよ、と。
人の人生も、同じなのかもしれません。楽しいことより辛いことの方が多いのかもしれません。暗闇にいる時間の方が、陽のあたる場所に立っていられる時間よりも長いのかもしれません。希望の光なんて、差してくれないと思うことの方が、多いのかもしれません。
だからこそ、日々の何気ない日常を、ささやかな喜びを、大切に抱きしめて生きていきたいと思います。
当たり前のものが、当たり前に存在していること。きっとそれが何よりの幸せなのでしょうね。















1週間前にサーティワンでアイスクリームを食べましたが、昨日再びイタリアンジェラートのお店『vito』に行きました。えへへ(〃⌒ー⌒〃)ゞ

私はどちらかと言うと、サーティワンのカチッとした濃厚なアイスクリームよりも、このふんわりとしたなめらかな、柔らかいイタリアンジェラートの方が好みです
。


しかし、 アイスクリームって色鮮やかで、見た目にも楽しいですね


