行動経済学の本。経済学では、我々人間は合理的にものを考え、行動することを前提としているが、行動経済学はその逆で、我々人間は合理的ではないという視点に立つ。
ダイエットをしようと決めたのに、コーヒーショップでコーヒーとともにケーキを注文してしまうのは何故か、安い鎮痛剤では治らない頭痛が高い鎮痛剤だと嘘のように消えてしまうのは何故か、そういう不合理な行動を検証し、理論を導き出すのが、この学問分野である。
私はこの学問が大好きである。ちょっと悪趣味なのぞき見感覚があることは決して否定しないが、それでもこの学問が、我々人間がなるべく無駄な苦しみや悩みにとらわれる機会の少ない人生を送れるようにと深く考えているところが、私には何よりの魅力なのである。