『有吉弘行さんの人生を生き抜くための金銭感覚や知恵を学ぶ』

【内容】

有吉弘行さんがデビューしてから2010年までの芸能界を生き抜くための知恵が書かれている。

 
【おすすめポイント】

①売れていても売れなくなっても変わらぬ堅実な金銭感覚

・月給100万円で、4000万円貯金があった猿岩石時代でも「この生活は続かないな」と豪華な家へ引っ越さなかった堅実さ
「身の丈より1個下の生活をする」ってことの大切さを教えてくれる
 

②いきなり売れた猿岩石時代を経て、売れなくなったどん底時代の描写のリアルさ

・仕事がない時に午後4時に事務所に翌日の仕事があるかどうかの確認をする屈辱さ
・最高7000万円あった貯金を食いつぶして、100万円を切った時の追い詰められた緊迫感
 

③自分の得意な場面を把握し、そこでしか勝負しないという知恵

・R-1ぐらんぷりのような賞レースには出ず、自分の得意なアイドル番組のような「お山の大将」でいられるような仕事で勝負している
→今の「有吉の壁」「有吉の夏休み」などの番組からも今も得意な仕事で勝負していて納得
 
【雑談】
・売れなくなったどん底生活を知っているから、「おしゃべりクソ野郎」などの毒舌で再ブレイクしても、今度売れなくなっても生きていけるように生活をする堅実さ。どん底生活の時に、周囲の目を気にしてバイトができなかったことを反省点にして、「もしも次に売れなくなったらなりふり構わずバイトもやる」と書かれている。
 
・教員をやっていると、毎月決まった額の給料が振り込まれて、普通に生活していればお金に困ることはないが、このような「身の丈より1個下の生活をする」っていう考え方がとても大切だと思う。
 令和3年に精神疾患になって休職している教職員は約6000人らしい。精神疾患にかかって休職、そしてその後に復帰できず退職のように無職になる可能性もあるので、やはりいざという時のために貯金をしておきたい。
 
・もっと言うと、子ども達にも生きていく上でお金を稼いでいかなくてはいけないわけで、仕事がなくて(働かなくて)貯金を切り崩していって、貯金がだんだん底を尽きそうなる恐怖を社会に出る前に触れてほしい。
 今ユーチューバーやアイドルなどの職業を目指す子どもも多いが、「売れなかったらどうするか」、「具体的に何をしていけばその職業につけるのか」などを考える上で芸能界の現実を感じる意味でも有吉さんの本の価値はあるかと思う。
 金銭感覚と言うことでも有吉さんの本ってすごく勉強になるのだが、風俗の話が出てくるから…学級文庫には置けないな…。
 
・著書の中で「1位にはなりたくない」って話がありましたが、2023年NHKの紅白歌合戦の司会にもなり、2010年よりもさらに売れてしまった有吉さん。10年以上前の本ではあるが、今の有吉さんの活躍も踏まえて読むと感慨深い。
 

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