私の名はビッキー
私の名はビッキー。
脚は短く腹が出ている、云わば
メタボ犬である。
飼い主はいつも散歩する時、
リードを着けず放し飼い。
危ないったらありゃしねぇ。
主人は自転車を押し(または乗り)
携帯を弄りながらスタスタと行って
しまう。そんな私は置いてきぼりで
心ズタズタ。
たまに後ろを振り向いては
「ビッキー」
「ビッキー」
と
適当に呼んでやがる。
ある日の午後、いつも通り散歩を
してたら分かれ(Y字路)道でとう
とう主人を見失った。
"主人(ババァ)は何処だ?"
全く姿が見えない。
まぁ、いつもの事だと、呼び声が
するまで電柱やら塀にマーキング
をして待っていた。
だいぶ離れた所から
「ビッキー」
の声が聞こえた!!
が
同時に
「ミッキー~」
と、声が聞こえてきた。
それは、親子連れのママさんが
娘の名前を呼んでるのだが韻が
同じで
左からは「ミッキー」
右からは「ビッキー」
もうどっちだよと、一先ず
マーキング。
以前こんな事があった。
主人と離ればなれになり、アパートに住んでいる年増の女性が迷子の私を保護してくれた。
私を抱きかかえ
「いいかい、お前も、もう少し
痩せたら人生変わるぞ」と、
言われたなぁ…
私の名はビッキー
今日も、強く生きている。
完
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