cAMPの調節タンパクであるGsαの孤発性先天性の変異により生じる。骨格系が広範に障害され、様々な程度にカフェオレ斑や内分泌異常(早発思春期、renal phosphate wasting、甲状腺機能亢進症、成長ホルモン過剰)を伴う。診断は通常、身体診察や典型的な放射線画像所見に基づく臨床的背景によりなされる。時として障害組織の遺伝子検査が診断に役立つことがある。骨格系の障害は幼少期に発生する。骨折による骨の変形を最も合併しやすい。成人では骨折のない骨痛がより頻度が高いが小児でも見られる。ビスホスホネートによる治療は疼痛の軽減に有効であるが、疾患の自然経過には影響を及ぼさない。
【病態生理】
骨髄間質細胞の異常である。骨髄間質細胞の一群は骨芽細胞や骨細胞、軟骨細胞、骨髄脂肪細胞などの多数の細胞種に分化できる多能性幹細胞である。線維性骨異形成症において、骨髄間質細胞は骨形成の系に沿って分化するが、途中で分化を止めて、増殖を開始し、線維-骨性病変を形成する。

【自然経過】
ほとんどの患児は病変部位の骨折や足を引きずることから発見される。

2才未満の幼児では古典的なすりガラス様陰影を欠くことがよくあり、線条陰影として見られ、時に内軟骨腫症と誤診されることもある(A)。より成熟すると、病変はより溶解性となり、典型的なすりガラス様陰影を呈する(B)。年齢とともに病変の端は硬化する(C)。
診断が困難な場合は病変部の生検が考慮される。

"漢字"と記述される典型的な組織像を呈する(A;B 骨性成分、F 線維性成分)。骨髄腔は線維性組織で置換されている。石灰化を見るVon Kossa染色にて類骨の量が顕著である(B)。