
子癇前症のために在胎28週帝王切開にて男児が出生した。Staphylococcus aureus 敗血症を発症し、広域抗生剤にて治療がなされた。重度の黄疸が出現した。おそらく感染や未熟児、非経口栄養のためである。ピークの総ビリルビンの値は20.9 mg/dl、直接ビリルビンの値は13.9 mg/dlであった。超音波検査にて肝や胆の解剖は正常であった。長い経過をたどった後、回復し、12週で退院した。生後20ヶ月にてフォローアップに訪問したところ、母親が男児の歯が変色していることを訴えた。身体診察において、歯の前面の切端から2/3に優位に認められる緑色の乳歯が明らかであり、敗血症に陥っていた時期のエナメル形成に一致する(パネルA, B)。乳歯の永久的な緑色の色素沈着は、古典的には胆道閉鎖症で見られる新生児の高ビリルビン血症に起因する。他の原因には溶血性疾患やこの症例のような重症の新生児敗血症による胆汁うっ滞が含まれる。永久臼歯の小部分は子宮内で発生するため、永久歯も影響を受けることがある。治療には乳歯用のベニアまたは永久歯の複合ベニアや漂白がある。フォローアップできなかったため、この乳児には治療を提供できなかった。
Swann O and Powls A, N Engl J Med. 2012