肢端黒子型メラノーマ | 生命医科学雑記帳

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evernoteのバックアップ、twitterに投下した内容のまとめとして使います。
細心の注意は払っているつもりですが、未だ専門分野を持たない研修医であるため、正確性に欠けることがあります。悪しからず。

 
68歳男性が左踵の外側に2年間治癒しない潰瘍を主訴に受信した。身体診察にて、縦5.5 cm、横6.5 cmの潰瘍を伴う黒い局面が明らかであった。切除生検にてBreslowの深さ2.0 mmの肢端黒子型メラノーマが示された。患者は2 cmのマージンをとって、切除された。左鼠径リンパ節のセンチネルリンパ節生検は陰性であった。2年のフォローアップの後、再発はない。肢端黒子型メラノーマはあまり見られないメラノーマの変種であり、典型的には手掌や足底に発生する。黒人に最もよく見られるメラノーマの組織学的亜型である。非ヒスパニック系の白人におけるメラノーマの好発と異なり、メラノーマの黒人患者は組織学的亜型に関わらず、ステージの進行した状態で診断され、白人の同じステージの患者より生存率は低い。この原因は明らかではないが、診断が遅れることによるものと考えられる。
 
Warren MP and Harvey VM, N Engl J Med. 2016