Ⅻ-14
図Ⅻ-14に示される皮疹の原因となる病原体はどれか?

A. Anaplasma phagocytophilum
B. Bartonella henselae
C. Borrelia burgdorferi
D. Ehrlichia chaffeensis
E. Rickettsia rickettsii
写真は特徴的な遊走性紅斑を示し、Borrelia burgdorferi によるライム病を明確にする病変である。ダニに咬まれてから3-32日以内に咬傷部位より遊走性紅斑が出現する。典型的には赤い斑や丘疹から始まり、ゆっくりと拡大して環状の病変を形成する。病変が大きくなるにつれて、典型的なターゲット様の外観を呈する。外環は鮮紅色で、中心の病変は進行中の紅斑を呈する。遊走性紅斑のよく見られる部位は、ダニの典型的な咬傷部位である鼠径部、腋窩、大腿である。ライム病が流行している地域におけるこの病変の存在は、治療の必要性を示唆し、血清学的な証明は必要とされない。

遊走性紅斑:痒みや触ると熱感を感じるが、痛みはないことが多い。
・Anaplasma phagocytophilum はヒト顆粒球アナプラズマ症の病原体である。このリッケチア症もダニによって媒介される。アメリカ中西部の北部やニューイングランド、アメリカ中部大西洋沿岸地域の一部、カリフォルニア北部で蔓延している。6%の症例で皮疹が見られるが、特徴的な皮疹はない。最もよく見られる症状は、発熱、倦怠感、筋肉痛である。
・Bartonella henselae は猫ひっかき病の病原体である。傷害部位付近に軽度の紅斑を認め、リンパ節が著明に腫大する。

皮疹は3-10日でできる。

星状白斑:黄斑部に滲出物を認め、一部は中心窩から放射状に伸びる。
・Ehrlichia chaffeensis は別のリケッチアであり、ダニによって媒介される。南東部、北東部、テキサス、カリフォルニアでよく見られる。ヒト単球性エーリキア症の病原体であり、発熱、倦怠感、筋肉痛という非特異的症状を呈する。エーリキア症において皮疹はあまり見られない。
・Rickettsia rickettsii はロッキー山紅斑熱の病原リケッチアである。90%もの患者が経過の中で皮疹を有する。皮疹はびまん性の斑であり、多くは、手首や足首から始まり、体幹に広がる。

熱が出てから数日後に初めて皮疹が出現する。
答. C