HARRISON 問題集7 | 生命医科学雑記帳

生命医科学雑記帳

evernoteのバックアップ、twitterに投下した内容のまとめとして使います。
細心の注意は払っているつもりですが、未だ専門分野を持たない研修医であるため、正確性に欠けることがあります。悪しからず。

Ⅺ-59
次の内分泌異常のうちミオパチーに関連しないものはどれか?
A. 甲状腺低下症
B. 副甲状腺機能亢進症
C. 甲状腺機能亢進症
D. 先端巨大症
E. 上記すべて関連する





数種の内分泌異常がミオパチーに関わる。甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症は近位筋の筋力低下につながる。甲状腺機能低下症は臨床的な筋疾患がなくてもCK値の上昇に関連する。甲状腺中毒症患者では近位筋のミオパチーに加えて繊維筋収縮が認められることがあるが、機能低下症の患者とは異なり、CK値は通常上昇しない。副甲状腺機能亢進症は筋力低下は通常近位筋に認める。筋萎縮や反射亢進を認めることが多い。CK値は正常か軽度に上昇する。血清CaやPは臨床的な筋力低下と相関しない。副甲状腺機能低下症患者も低Ca血症により、ミオパチーを起こすことが多い。先端巨大症患者は萎縮を伴わない近位筋の筋力低下を認めることがある。血清GHの値ではなく、罹患期間がミオパチーの程度と相関する。糖尿病は非常に稀なミオパチーの原因であるが、筋の虚血性梗塞によるものであり、原発性ミオパチーではない。最後にビタミンD欠乏、クッシング病のようなグルココルチコイド過剰も筋力低下と関連する。