28日日曜日に東京・島根・長崎の3か所で補欠選挙が行われ、3か所とも立憲民主党の議員が当選を確実にしました。当選された議員の皆様おめでとうございます。
今回の選挙は「政治とカネ」の問題が争点となりました。
昨年から指摘されている自民党の政治資金問題が、有権者の投票に一番大きな影響を与えたといって間違いありません。特に島根県は、小選挙区制が始まって以来、初めて自民党が負けた選挙区であり、今回の選挙で唯一候補者を擁立し、総力戦で戦ったのに負けたということです。
つまり、今の有権者が、「古い政治」にNOを突き付けたということでしょう。
先日、岸田総理が取材で政治資金問題に関する自身の政治責任を問われた際に、「国民の皆さんが判断する」とおっしゃっていたようですが、今はどう思っているのでしょうか。
たぶん総理の座を離れたくない一心から出た言葉でしょうが、離れたくないのであれば自分にも厳しくあるべきですし、内政を滞らせずに積極的にいろいろ動いていってほしいところです。
一方、議席を獲得した立憲民主党も決して安心できないと思います。
「相変わらずの古い政治にNOを言うため、最大野党の立憲民主党に投票した」という有権者がどれだけいるか、立憲民主党に投票した理由が消極的なものであった場合、今後の選挙で思った以上に議席が伸びない、といったことも起こりえます。
かつての立憲民主党は執行部のブーメラン発言・行動が話題となりましたが、そのことを知っている有権者は、今の自民党に対する目と同じくらい厳しく見極めているかもしれません。以前とは違うんだ、というのをちゃんと実行に移せるかが今後の課題となりそうです。
また、コロナ禍の間に「政党」より「議員個人」の質を見分ける有権者が増えてきた感じもします。
コロナ禍の間に、自分の選挙区の議員はどういった活動をしてきたか、政党関係なく地盤の選挙区に貢献できることをしたか、こういった視点を持つ有権者が増えてきた感じがします。
なので以前のように、「この政党の議員なら大丈夫」、「この方は何期も議員活動やってるから大丈夫」といった、かつて候補者にとって有利に働いた要素が状況によって逆風に変わるケースが今後増えてくるということです。
今回の選挙では、古い政治に選挙区の有権者が明確な意思を伝えたという結果が出ました。
与野党問わず、目先の票数ばかり気にしてないで、有権者がどういう視点で国会議員を見ているのか、これを大事にしてほしいと思います。