先日、劇団新感線の『髑髏城の七人』を観てきました。


2004年春に古田新太さん主演、秋に市川染五郎さん主演の

2バージョンを“アカドクロ”、“アオドクロ”と銘打って

上演して以来なので、7年振りの再演…。

今回はキャストも一新、小栗旬、森山未來、早乙女太一、

仲里依紗といった若手中心の座組になってます。

新感線といえば、派手なヘビメタ音楽に豪快な立ち回りがお約束の

『活劇』で知られていますよね。

“ワカドクロ”の呼び名の通り、エネルギッシュで躍動感あふれる

作品となって生まれ変わった気がします。


これまでは1人2役で演じられていた捨之介と天魔王を

小栗旬さんと森山未來さんの2人に分けたところが最大の違い…。

そもそも初演の古田新太さんの2役には理由があって、

その前の公演で古田さんが自分の登場シーンに出忘れた

(舞台裏でタバコを吸っていたらしい)ために、

作家の中島かずきさんが、古田さんにタバコを吸う暇を与えない!

ということで、2役でほぼ出ずっぱりという作品になったらしいです。

確かに2人に分けることによって、自由度が増した感じがしました。


本筋は変えずに、キャストの顔ぶれに合わせて微調整するのが

新感線スタイルで、これまでも無界屋蘭兵衛は男女のパターンが

ありましたし、髑髏城に戦いを挑む荒武者隊長の役名が変わったり、

活躍する刀鍛冶が雁鉄斎本人だったり、弟子、奥さんだったり…。

話の流れは変わらないのに、登場人物が折々に違っていて、

でも、ちゃんと成立しているってのは、凄いなあと思います。

究極のアテ書き…ってことでしょうか。


客席には、元宝塚の真矢みきさん(お肌がとても美しくて、ビックリ。

やっぱり「諦めないで~」に嘘はありません)、鶴瓶師匠らも

観劇されてました。


小栗旬さんを舞台で拝見するのは久しぶり(たぶん、さんまさんと

共演された『JOKER』以来…)。今回は前方席だったので、

小栗さんの美貌としなやかな動きを真近で堪能できて良かったです。

捨之介としての曲者感や色気は、やっぱり古田さんや染五郎さんに

かなわない感じでしたけど、殺陣の動きは相当訓練したんだろうな

ってくらい、頑張ってました。

立ち回りの美しさと言えば、早乙女太一さん。

同じ新感線プロデュース公演の『蛮幽鬼』で初めて拝見した時にも

女装の麗しさと共に立ち回りの見事さに息を飲んだのですが、

今回もやはり魅せてくれました。

男女両パターンが成立する怪しげな佇まいをもつ無界屋蘭兵衛役。

過去に拝見した粟根まことさん、水野美紀さん、池内博之さん、

どの蘭兵衛も素敵でしたが、私のピカイチは早乙女さんかも…。

あれで、20才そこそことは信じがたいです。

天魔王に扮した森山未來さんは、持ち味の身のこなしの軽さで、

ダンスのような殺陣を披露してくれて、カッコ良かった…。

威圧感には欠けるものの、ヒールっぽさは伝わってきました。

残念だったのは、仲里依紗さん。公演も終盤に差し掛かったところ

だったせいか、声がかすれて聞き取りにくい箇所がいくつもあって。

たぶん舞台用の発声練習がやりきれてなかったんでしょうね。

元々ハスキーボイスではいらっしゃいますけど…。

でも、向う見ずで負けん気の強い沙霧のキャラクターにピッタリで、

可愛かったです(ルックスだけじゃなくて)。

そして、もう1人、とっても良かったのが小池栄子さん。

とにかくカッコ良かった!今までとは違う極楽太夫だったと思います。


97年の再演『髑髏城の七人』が私の初新感線だったせいか、

妙に思い入れがあって。(と言っても、映画版までは観ていませんが)

初めて観た時の衝撃…。耳をつんざくようなヘビメタBGMと、

お笑い要素がこれでもかと盛り込まれた荒唐無稽なストーリー展開、

奇抜なコスチューム、小道具がマイクに変わり突然歌いだしたり、

縦横無尽に駆け回る役者たち、歌舞伎もどきの効果音…

こんな演劇があったのか!と、度肝を抜かれ、鮮烈に記憶に刻まれました。

以来、新感線の公演は時間とお金が許す限り、見続けてきているので、

時にはもう飽きたかな…?と感じることもあったりはします、正直。

特に最近の“いのうえ歌舞伎”は、メインに客演を据えて、

新感線の主要劇団員である古田新太さん、高田聖子さん、

橋本じゅんさん、粟根まことさんたちが揃って出演されることが

ほとんどなくなっちゃったのが淋しいですね。

準劇団員と言われていた市川染五郎さんも、本業に専念されて

いるのか、新感線でお目にかかれることもなくなってしまいました。

個人的には、『SHIROH』がすごく好きなので(アッキーだからって

訳ではなく)、いつかまた再演してくれたらいいなって人知れず

願っているのですが。



好きなもの、いっぱい!