先日の記事「鈴緒づくり」が少し好評だったので、
今日は鈴緒の原料である麻のことについて書きたいと思います。
麻とはいわゆる大麻草と呼ばれる1年草のことです。
歴史は古く、日本では1万年以上前の縄文時代から、
麻を利用してきた痕跡が残されています。
麻は利用価値が非常に高く、捨てるところの無い植物と言われています。
- 茎から繊維を取り、縄・布・紙などに利用
- 種子は食用
- 種子から油を取る
- 花や葉の麻薬成分の精神作用を利用
- 花や葉・種子・根を薬用として利用
大麻と聞くと怖いもの・危険なもののイメージがありますが、
実はこんなに役立つ植物だったんですね。
また成長も極めて早く、3月頃に植え付けし、8月頃に収穫できます。
生育にはほとんど手もかからないそうです。
大麻が悪者にされたのは、1900年代初頭に燃料や衣料品、
繊維業界など業界の利権が関係していると言われています。
いずれも安くて大量に収穫できる大麻は脅威だったのでしょうね。
また当時のアメリカ移民が好んで大麻草を吸っており
「厳格で潔癖な生活を送るべき」とするピューリタンから
排斥の対象になったようです。
現在では大麻草は復権し、アメリカのいくつかの州では
大麻の利用は合法ですし、日本でも大麻由来のてんかん薬が
承認・解禁されました。
日本では縄文の昔から、麻は神事で用いられてきました。
現在も神社のしめ縄、鈴緒や、天皇代替わりの神事「大嘗祭(だいじょうさい)」
で天皇が着用する麁服(あらたえ)、
大相撲の横綱が土俵入りで締める「綱」にも麻が使われています。
麻は「けがれを祓う」「神聖なもの」として使われてきたんですね。
大嘗祭へ向かう天皇陛下
出典:読売新聞オンライン(2019/11/15)
日本でも麻は少しずつ復権してきましたが、
生産はまだまだ少ないのが現状です。
筆者は少しでも麻文化の維持発展に役立てれば、と思っています。
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