藁の盾
木内一裕
講談社文庫
殺人犯に10億円の賞金がかけられたら、どうするのか。
少なくとも、誰もが無関心ではいられない中、銘苅警部その殺人犯の護衛を命じられる。
彼らに襲いかかるのは一体誰なのか。
そもそも、彼らに味方はいるのか。
10億という金額が人を狂わせる。
ましてや、対象が極悪非道な殺人犯であれば…。
その筋の人、だけではない。
一般人、警察、機動隊、そして同じ警護を命じられた仲間…。
結果的に得をした人はいるのだろうか。
10億に目がくらんで、人生を棒に振った人、命そのもの失った人。
復讐を思った人、警護を任された人、たまたま居合わせた人、そして標的とされた殺人犯。
多くの人を巻き込みながら、凶悪犯を「まもる」事を命じられた主人公の銘苅警部は、
何を思うのか。
後味の悪い話、といえばそうなのかもしれない。
何故ならば、どう転んでもこの話はハッピーエンドにはなりえないからだ。
唯一救いがあるとすれば、現実的ではない事。
だが一方で考えさせられもする。
もしこれが現実になったら…
人を殺して10億が手に入るとしたら?
普通は理性が働く。
罪もない人を殺すなんて…。
でも、殺す相手は凶悪殺人犯だとしたら?
あなたなら、どうする?
脳男
首藤瓜於
講談社文庫
事件現場に居合わせた、特殊な肉体と不思議な精神を持つ、鈴木一郎。
彼には感情がなかった。
そんな鈴木一郎は何を思い、何故事件現場にいたのか。
そして、鈴木一郎と彼を取り巻く面々は、何を思うのか…。
こちらも映画化されていましたね。
(ミーハーと言わないで…話題性があるものに飛びつきやすいだけなんです…それがミーハーだって?)
話の大半は、鈴木一郎の精神鑑定を頼まれた先生が、彼の過去を探るもの。
読み始めは医学専門用語も多くて読み進めにくいかなと思ったけれど、意外とスムーズに読め、
そしていつの間にか引き込まれました。
でも、読み終わってもすっきり!、というわけにはいかないかもしれません。
謎が一つ解き明かされれば、次の謎が生まれる。
そもそも人の心はそう簡単に分かるものではないので、致し方ないのかもしれません。
それでも、彼が何を思っていたのか…じらされます。
彼がどうなったのか、何処へたどり着くのか…
そこに救いはあるのか…
首藤瓜於
講談社文庫
事件現場に居合わせた、特殊な肉体と不思議な精神を持つ、鈴木一郎。
彼には感情がなかった。
そんな鈴木一郎は何を思い、何故事件現場にいたのか。
そして、鈴木一郎と彼を取り巻く面々は、何を思うのか…。
こちらも映画化されていましたね。
(ミーハーと言わないで…話題性があるものに飛びつきやすいだけなんです…それがミーハーだって?)
話の大半は、鈴木一郎の精神鑑定を頼まれた先生が、彼の過去を探るもの。
読み始めは医学専門用語も多くて読み進めにくいかなと思ったけれど、意外とスムーズに読め、
そしていつの間にか引き込まれました。
でも、読み終わってもすっきり!、というわけにはいかないかもしれません。
謎が一つ解き明かされれば、次の謎が生まれる。
そもそも人の心はそう簡単に分かるものではないので、致し方ないのかもしれません。
それでも、彼が何を思っていたのか…じらされます。
彼がどうなったのか、何処へたどり着くのか…
そこに救いはあるのか…
ビブリア古書堂の事件手帳4 ~栞子さんと二つの顔~
三上延
メディアワークス文庫
体質で本を読めない主人公と、本に異常なまでの知識を持つ古本屋の店主の少女が、古本を
巡ったトラブルに次々と巻き込まれる。
古本屋の店主栞子は、本に対する知識だけではなく、本が絡むと異常なまでの洞察力、推理力を発揮する。その様子は神がかりとでもいうような…
つい先日ドラマ化されたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
本が好きな人には、大きく2種類あると思う。
一つは単純に本を読む事が好きな人。
もうひとつは、本好きが高じて本そのものや、作者、本の変遷その物を愛する人。
この本に出てくる人の大半は後者のビブリオマニアが中心だ。
本を愛するあまり、本が絡む事にだけ異常なまでの反応を示す主人公の相方がその最たるものであろう。
そして、このビブリア古書堂の事件手帳4には、その主人公の相方の母親が登場する。
この母親が、娘以上に本に異常に執着する人物で、彼女が絡む事で物語は大きく揺れ動く。
ビブリオマニアを題材とした推理小説、といってしまえばそれまでなのだが。
いつ頃からだろう、ビブリオマニアという言葉が定着してきたのは…いや、世間一般的には定着はしていないのだろうか。
人が死なないミステリーという面では安心できる推理小説といえるだろうが、異常な洞察力から導きだされる推理は、面白いものの謎を解いていく過程のわくわく感が今一つである所は否めない。
その分、本という登場人物の趣味志向が現れるものが題材であるためか、妙にセンシティブな場面が多いと思う。
本好きには雑学要素も多く、楽しめる小説ではあると思う。
三上延
メディアワークス文庫
体質で本を読めない主人公と、本に異常なまでの知識を持つ古本屋の店主の少女が、古本を
巡ったトラブルに次々と巻き込まれる。
古本屋の店主栞子は、本に対する知識だけではなく、本が絡むと異常なまでの洞察力、推理力を発揮する。その様子は神がかりとでもいうような…
つい先日ドラマ化されたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
本が好きな人には、大きく2種類あると思う。
一つは単純に本を読む事が好きな人。
もうひとつは、本好きが高じて本そのものや、作者、本の変遷その物を愛する人。
この本に出てくる人の大半は後者のビブリオマニアが中心だ。
本を愛するあまり、本が絡む事にだけ異常なまでの反応を示す主人公の相方がその最たるものであろう。
そして、このビブリア古書堂の事件手帳4には、その主人公の相方の母親が登場する。
この母親が、娘以上に本に異常に執着する人物で、彼女が絡む事で物語は大きく揺れ動く。
ビブリオマニアを題材とした推理小説、といってしまえばそれまでなのだが。
いつ頃からだろう、ビブリオマニアという言葉が定着してきたのは…いや、世間一般的には定着はしていないのだろうか。
人が死なないミステリーという面では安心できる推理小説といえるだろうが、異常な洞察力から導きだされる推理は、面白いものの謎を解いていく過程のわくわく感が今一つである所は否めない。
その分、本という登場人物の趣味志向が現れるものが題材であるためか、妙にセンシティブな場面が多いと思う。
本好きには雑学要素も多く、楽しめる小説ではあると思う。
八十日間世界一周
ジュール・ヴェルヌ(訳:江口清)
角川文庫
名誉の為とはいえ、ひょんな事から80日間で世界一周をする賭けをしてしまった主人公。
何かトラブルがあれば、あっという間に旅程は狂い、期限に間に合わずに財産を失ってしまうかもしれない。
そんな緊張感の中、旅は始まった…
世界一周、この言葉に私は大きな魅力を感じます。
とはいっても、主人公の場合は観光等を楽しむ余裕はなく、命題は期限内に世界を一周してロンドンへ戻ってくる事。
当時のご時世から、何かトラブルがあれば失敗する可能性は非常に高く、それゆえどのようにこの難問をクリアしていくのか。
もちろん旅程は順風満帆、とは言えず、何度もトラブルに巻き込まれます。
しかし、誇りをもってそららに対して対処をし、旅は続くのです。
はたして彼らは無事に期限内にロンドンにたどり着けるのでしょうか。
有名な小説の為、読んだ事がある人も多いのではないでしょうか。
オチはある程度よめてしまう部分もありますが、それでも途中の旅程には本当にハラハラさせられます。
それでも彼らの勇気ある行動を楽しむのには、十分な話だと思いました。
ジュール・ヴェルヌ(訳:江口清)
角川文庫
名誉の為とはいえ、ひょんな事から80日間で世界一周をする賭けをしてしまった主人公。
何かトラブルがあれば、あっという間に旅程は狂い、期限に間に合わずに財産を失ってしまうかもしれない。
そんな緊張感の中、旅は始まった…
世界一周、この言葉に私は大きな魅力を感じます。
とはいっても、主人公の場合は観光等を楽しむ余裕はなく、命題は期限内に世界を一周してロンドンへ戻ってくる事。
当時のご時世から、何かトラブルがあれば失敗する可能性は非常に高く、それゆえどのようにこの難問をクリアしていくのか。
もちろん旅程は順風満帆、とは言えず、何度もトラブルに巻き込まれます。
しかし、誇りをもってそららに対して対処をし、旅は続くのです。
はたして彼らは無事に期限内にロンドンにたどり着けるのでしょうか。
有名な小説の為、読んだ事がある人も多いのではないでしょうか。
オチはある程度よめてしまう部分もありますが、それでも途中の旅程には本当にハラハラさせられます。
それでも彼らの勇気ある行動を楽しむのには、十分な話だと思いました。
GOSICK -ゴシック-
桜庭一樹
角川文庫
図書館の最上階には金髪の妖精が住んでいる。
…妖精と聞くととても可憐で可愛らしいイメージを持つが、ただしこのGOSICKに出てくる妖精は、可愛い、が、一癖も二癖もあるちょっと困りものの妖精だった。
ソヴュールに留学生としてやってきた主人公の一弥はそのその妖精と出会い、運命を大きく変える事になるのであった。
少し前にアニメ化もされていた為、ご存じの方もいるのではないでしょうか。
中世ヨーロッパの趣のある舞台と癖のある妖精が織りなす物語は、夢のような物語…ではなく、何故か良く人が死ぬ推理物。
その謎を解く方法はとても一般人についていけるものではないですが、奇想天外かつ壮大なトリックにあっという間に引き込まれます。
何故か主人公の周りには謎がまだまだ満ちているようで、今後の展開が楽しみです。
時々見せる笑顔が可愛らしい、でもふだんは我儘な妖精と一緒に、謎に満ち満ちた世界に飛び込んでみるのも、悪くは無いかも。
桜庭一樹
角川文庫
図書館の最上階には金髪の妖精が住んでいる。
…妖精と聞くととても可憐で可愛らしいイメージを持つが、ただしこのGOSICKに出てくる妖精は、可愛い、が、一癖も二癖もあるちょっと困りものの妖精だった。
ソヴュールに留学生としてやってきた主人公の一弥はそのその妖精と出会い、運命を大きく変える事になるのであった。
少し前にアニメ化もされていた為、ご存じの方もいるのではないでしょうか。
中世ヨーロッパの趣のある舞台と癖のある妖精が織りなす物語は、夢のような物語…ではなく、何故か良く人が死ぬ推理物。
その謎を解く方法はとても一般人についていけるものではないですが、奇想天外かつ壮大なトリックにあっという間に引き込まれます。
何故か主人公の周りには謎がまだまだ満ちているようで、今後の展開が楽しみです。
時々見せる笑顔が可愛らしい、でもふだんは我儘な妖精と一緒に、謎に満ち満ちた世界に飛び込んでみるのも、悪くは無いかも。