【中秋の名月とは?】

旧暦の8月15日というと、新暦では必ずしも9月15日というわけではなくその年によって中秋の名月の日付は変わります。

それは、旧暦は月の満ち欠けを基準にしているのに対し現在の暦は太陽の動きを基準にしており、ズレが生じるため。

また、月の満ち欠けの周期もぴったり15日ではないため旧暦の満月の日も実際とは1〜2日ほどずれることがあります。



【お月見の起源】
中秋の名月をめでる習慣は奈良~平安時代初期頃に中国から伝わったと言われています。
お月見は、日本だけでなく中国や韓国などのアジア諸国でも行われている伝統的な行事。
中国では「中秋節」として知られ、秋分の日に近い8月15日に祝われます。
その最初の記録は紀元前770年にまでさかのぼるそうです。
日本へ伝わった当初は貴族の間で行われ水面に映った月を詠んだり、詩を詠んだりして楽しむ文化でした。
その後、江戸時代になると、庶民の間に広がり、より身近な行事となります。
ちょうど米の収穫の時期も近く、とれたての米を団子にして、収穫を祝ったそうです。
お供え物やススキを飾り、美しい名月を愛でる伝統。
日本独自の要素を加えながら受け継がれ、現代でも多くの人々が楽しんでいます。

【お月見の風習】
お月見では、お供え物を用意して月を迎えるのが一般に知られていますよね。
月見団子は満月に見立てた、丸い形をした白いお餅。
月がよく見える場所に台を置き、十五夜にちなんで15個の団子をうず高く盛ります。
ピラミッドのような山形にするのは、先端が高次元とつながると考えられてきたため。
それに加え、ススキや秋草、収穫に感謝して里芋やさつまいもなどの秋に収穫を迎える野菜を供えます。

【なぜススキが使われる?】
ちなみに、なぜススキがお供えに使われるのでしょうか。
お月さまに見立てた丸いお餅などのお供え物に、背の高いススキを飾ることで神様がその場所に降り立つ「依代(よりしろ)」とされています。
これは、お正月に飾る門松と同じ考え方ですね。
また、お月見が終わった後も、ススキをすぐに捨てるのではなく庭に立てたり、小屋や門、水田に差し込んだりする習慣があります。
これは、ススキが魔除けとなりお月見が終わった後も私たちを守ってくれるからと言われています。

【十三夜のお月見とは?】
十五夜の1ヶ月後にめぐってくる十三夜は十五夜に次いで美しい月だといわれてきました。
十三夜は旧暦の9月13〜14日で中秋の名月のおよそ1ヶ月後。
2023年の十三夜は、10月27日(金)にあたります。
十三夜は稲作の収穫を終える地域も多いことから秋の収穫の終わりに感謝を捧げつつ、月をめでていました。
「十五夜」と「十三夜」、どちらもお月見を大切にする日ですが片方だけを楽しむことを「片見月(かたみつき)」または「片月見(かたつきみ)」と言います。
実はこの片見月は縁起が悪いとされ、十五夜と十三夜の両方を楽しむことがおすすめ。
それを「二夜の月(ふたよのつき)」と呼びます。
両方の美しい月を楽しむことが、幸運を呼ぶ習慣とされています。

【盗まれると縁起が良い「お月見どろぼう」】
今は見られなくなった地域が多いようですが日本版ハロウィンとも言われる「お月見どろぼう」という風習もあります。
古くから十五夜のお供えものは、子どもたちがよその家のものをこっそり盗んでももらい歩いてもよいとされてきました。
子どもたちは月の使いとみなされ、お供物がなくなると縁起がよいとか豊作になると信じられており喜ばれるようです。

【この時期の月が美しく見える理由】
中秋の名月の時期は、特に月が美しく見えるといわれます。それにはいくつかの要因が重なっています。

【天候が安定している】
9月中頃〜下旬にかけては多くの地域で天候が安定し
晴れた日が多い時期。
晴れた夜空では月の明るさが遮られることなく鮮やかに輝き、美しく見えます。

【大気中の湿度】
9月は大気が比較的澄んでおり大気中の微粒子や湿度が少ないとされています。
これにより、月の光がよりはっきりと見えるようになり美しい景色を楽しむことができます。

【低い位置に昇る】
9月の月は、太陽と同じように低い位置から昇ります。
低い位置にあると、錯視の効果により建物や山などとの対比も引き立ちより大きく美しく見えると言われています。

【中秋の名月のスピリチュアルな意味】

【感謝と祝福】
占星術では、満月は「満ちる」とき。
努力や積み重ねてきたものが実を結び、結果となるタイミングです。
また、その結果を踏まえた振り返りを行ったり次へのアクションを決めるときでもあります。
中秋の名月は、豊かな収穫の季節の中「満ちる」エネルギーもピークに達します。
このときに感謝の念を持つことが豊かさを受け入れる意識を高めるポイントとなります。

【調和とバランス】
中秋の名月は秋分の日に近い時期に起こり、昼夜の長さがほぼ等しい頃。
この時期はスピリチュアルな観点から見ると陰陽のバランスが取れている時期ととらえられています。
今年は酷暑でした。夏のエネルギーを強く受けすぎてしまった人もこの時期にバランスを整えてリセットできるでしょう。

【変化と新しい始まり】
中秋の名月は秋の季節の始まりを告げることもあり変化と新しい始まりへの移行を象徴します。
この時期は過去の経験から学び、新たなステージやプロジェクトに向けてぐんと進むタイミング。
満月の明るい光が未来を照らし、新たなチャンスを指し示してくれます。

【どうして満月に願いが叶うの?その仕組みとは・・・】
新月でスタートしたものが徐々に実現化し、満月で完成する。
ウミガメは満月の夜に産卵のために砂浜へと戻ります。
植物は、ハーベストムーンといって満月のときに収穫をするのがベストだといわれています。
地上のあらゆる生命は満月の影響を受けています。
人間も例外ではありません。
お肌が約28日でターンオーバーを迎える。
月と同周期で月経がきて満月のときに出産が多くなる。
感情とも関係があり満月の夜は気(生命力、プラーナ)が満ちるため男女とも、1ヶ月の間で一番のモテ期になります。
日々変化する生命エネルギーは月のリズムに多大なる影響を受けています。
満月のとき、気(生命力、プラーナ)が満ちていて感情もエネルギーも最高潮に盛りあがります。
このため月のリズムを知り満月のパワーを味方につけることで願い事は叶いやすくなります。