人間の身体が動物化していく奇病が、まん延している世界の物語。
冒頭から、すでに奇病が流行っていて、その説明などは一切ない。
妻(母)が病気にかかり施設に収容されている父と子が主人公。
動物化が進み、夫も子どもも理解しているのかよくわからない状態で、妻(母)はほとんど出てこない。
その妻(母)を輸送する車が事故に遭い、森に逃げ出す。
父子は森で妻(母)を探すのだが、息子にも動物化の症状が出始めてしまうというストーリー。
全編を通じて感じたのは、ヒトと動物、そして森の関係。
ドイツ人は森に対して強い思いを持っていると聞くが、フランス人はどうなのだろうか?
私が感じたのは、最近里山が崩壊し、クマやサルが町に出没する件数が増えているという日本の話。
この映画の中でも、動物が暮らす森と人間の生活の境界が崩れていて、それが動物化という病気に象徴されているように感じた。
動物界というタイトルも含め、色々深いテーマがあるのだろう。
ただ、エンタメ作品としても面白い。
鳥人間と飼い犬が良いキャラだった。