公開2日目の土曜日ということもあり、ほぼ満員。

 

当時、PRIDEに熱狂していた私のような世代の男が多い。

 

マーク・ケアーは記憶にはあるが、それほど思い入れのある選手ではない。

 

しかし、あんなバックグラウンドがあったとは。

 

鎮痛剤への依存は、ある意味米国ではあるあるなのかもしれない。

 

ケアーのように屈強な体を持っていても、自分をコントロールできない。

 

その姿を、ドキュメンタリー風に追いかける。

 

日本のシーンも一部日本人俳優のセリフがたどたどしいところはあったが、リアルな感じ。

 

PRIDEの試合シーンも、布袋寅泰が本人役で出演するなど、金をかけて再現していた。

 

しかし、それだけにレニー・ハートのアナウンスとレイジのゲリラ・レディオを使ってほしかった。

(AIで調べたらレニー・ハートはPRIDE2000GPから)

 

他にも、バス・ルッテンは本人が出演し、エンセン井上役の石井慧、榊原信行役の大沢たかおもはまっていた。

 

エミリー・ブラント演じる恋人のドーンの空気の読めないメンヘラぶりも、いそうだなぁという演技。

 

何より霊長類最強の身体を持っているのに繊細なケアーを演じるドウェイン・ジョンソンは、今までで一番の演技だった。

 

自らケアーのドキュメンタリーを見て映画権を得たというだけはある。

 

それにしても、当時は優勝賞金20万ドルだったのだな。

 

当時、PRIDEはイベントとして決してUFCに負けていなかった。

 

世界中の格闘家が、ジャパンドリームを目指して最高峰の戦いを日本のリングでしていた。

 

バブル崩壊後でも、当時の日本には力があった。

 

しかし、20年でUFCはスポーツエンタテイメントとして大きく成長したのに、日本では素人の1分のケンカが一部で盛り上がっているだけになった。

 

何がこの差を生んだのか…

 

 

 

NewsPicksのWEEKLY OCHIAI でも定期的に行われる落合陽一氏と先崎彰容氏の対談。

 

その話の展開が予想もしない広がりや、つながりを生み、読んでいる自分まで賢くなった気になる。

 

気になる部分が多くて、本が付箋だらけになった。

 

前半は先崎氏の保守主義者としての意見に首肯する。

 

<私が「純粋主義」と定義したうえで反知性主義の問題点だと考えるのは、次のような理由があるからです。それは異様なまでの昨今の「自己啓発本」ブームと自然食礼賛、そして「霊性」などの言葉に代表される、スピリチュアル・ブームの源泉だからです。私たちは今、異常なくらい、自分の身体に対しての興味を持っているでしょう。体内から異物を排除したいという傾向は、広がりを見せている。身体内部から異物・不純を排除したいという精神傾向—純粋主義!!—は、実は、アメリカの反知性主義に震源があるのです。>

 

この指摘を読んで、『保守』と言われる新興政党と、その支持者たちを思い出した。

 

つまり、そんな純粋主義は、本来の保守主義からすれば危険な思想なのだ。

 

後半は落合氏の視点で語られるAIやデジタルの未来に、はっとさせられる。

 

<僕は最初、AIが作るものは「コンビニのおにぎり」みたいなものだと思っていたんですね。人間の手で握られたものより清潔感があるだろうと。せいぜいその程度の差かと思っていたら、観察を続けているうちに、日本酒で言うところの純米大吟醸っぽくなってきたなと感じるようになって。単に清潔なだけじゃなくて、AIだからこその磨き上げられた良さというものがある。>

 

そんな二人の対論を、自分なりに解釈すると、AI時代に人間は純粋なものより、雑味やグラデーションの部分にこそ、意味が生まれてくるのだなと考えた。

 

タイトルに引かれた本書。

 

序盤は、予想通り職場にいるモチベーションの低い若者の扱いに悩んでいるという管理職の悩みに心理学者の榎本氏が感じたことが述べられている。

 

だが、途中からそもそも「自分がしたい仕事」探しに追われている若者たちの現状に、警鐘を鳴らす方向にシフト。

 

なるほどと思った。

 

たとえばキャリアデザインという言葉があるが、それに意味があるのか?と疑問を呈す。

 

<大学生約200名を対象に行った調査では、『10年前どころか5年前でさえ今の自分を予想していなかった」という学生が61%であり、「予想していた」という学生の22%を大きく上回っていた。(略)今のうちから将来の展望を固定的に考えて、そこから逆算して今なすべきことを決めるということは、他の可能性に対する準備をしないということにもなり、自分の可能性を狭めてしまう>

 

大谷翔平の目標達成シートに象徴されるように、大きな目標に一心不乱に進むことが称賛される。

 

でも、それは大谷翔平だからできること。

 

むしろ<「未決定の心理状態」を肯定的にとらえ直し、心を開いた状態を維持することの大切さ>を本書では説いている。

 

すぐに「できません」と言う人は、そんな柔軟性がないということなのだろう。