ずっと最近、初代仮面ライダーばかりみてたのでねぇ。
ちょっと洋物の特撮モノを観てみようかと。
借りてきたのは「バットマンビギンズ」
アメコミのバットマンにはたいして興味はないのですが、こちらの映画のシリーズ
「バットマン ダークナイト」が好きなのです。あのジョーカーがたまらなくてねぇ。
最近、続編のダークナイトライジングが上映されましたね。
なんか3部作って書いているから、あれ、前回の続きじゃないの?って調べてみたら、
その前のバットマンビギンズと合わせて3部作なんすね。
そんなわけで、観てみました。
監督は3部ともクリストファー・ノーランの新生バットマンシリーズです。

バットマンのダークナイトもそうですが、正義と悪についてビシビシと問いかけてきます。
戦隊ものもヒーローものも、どこかで対峙する正義と悪。
そういうものについていろいろと考えさせられる映画だなぁと思うのです。
バットマンは幼馴染のレイチェルを助けるために、バットモービルという装甲車の化け物のような乗り物で
で警官とカーチェイスするカッコイイ、シーンがあるのです。
パトカーを吹っ飛ばし、屋根を駈けあがり、空まで飛ぶバットモービル。

あのシーンはこの映画の中の一つの見どころであり、ウヒョー!と大興奮なのですが、
その観ているもののカタルシスをも否定するかのように、執事のアルフレッドはバットマンを叱咤するのです。
「下手すれば人が死んでます」
「交通ルールなんて守る余裕はなくてね」
「私情で行えば、それは人助けではなくて、自己満足です」

見ていて盛り上がっていた自分でさえも現実に返すような言葉ですね。
ウルトラマンが怪獣と戦うシーンで、子供心に「街破壊してるんじゃないか?」ってちょっと思ったアレです。
毎回、ロボット合体させないと万事解決できないヒーローは、
本当はただ自分の力を誇示したいだけなんじゃないかって。
この前にも、「正義の覚悟を見せろ」と罪人を処刑するか、しないかのシーンでも、
同じように殺すようなことはしない代わりに、大暴れして、多分自分で手を下さないまでも、
結局何人も死んでしまっているようなシーンもあります。
そこでもまた、自分のメンタ―である人物だけは助けるのですが、
後のシーンでそのときのシーンとの対比とも言える場面が出てきて、そのときとの違いが表れています。
こういう映画とかみると、本当はわかりやすい巨悪や悪の組織なんて
本当はどこにも存在しないんだろうなと思えてしまいます。
普通の人間が、誰しも持っているズルい気持ちや保身だったり、仲間を守るために行っていることだけ、
自分の良心に従って行っていることだけなのかもしれないと。
バランスこそが正義という言葉も、また真なのかもしれないと。
ジョジョでいう、正義の反対はもう一つの正義ってやつじゃないかなと。
それよりも、わかりやすい演出を作ってしまう構図にこそ胡散臭いものを感じてしまいます。
それは、わかりやすい正義や悪役が存在するときほど。
これが悪と力強く断定する正義には、何か胡散臭いものを感じてしまうのです。
この映画には3人のカッコイイおっさんが登場します。
おっさんというよりは、もうじいさんに近いのもいますが、
執事アルフレッドとウェイン社応用科学部ルーシャス・フォックスとゴードン巡査部長です。
特に執事アルフレッドとのシーン。
父親の遺産の屋敷を破壊されたとき、井戸に落ちたときのシーンとかぶるように、
炎で燃え盛る屋敷を地下の穴から見上げるシーン。アルフレッドの言葉が感動的。
アルフレッド「Why do we fall, Sie? So that we can learn to pick ourselves up.」
「人はなぜ落ちるのだと思います?自分自身で這い上がれることを学ぶためです」
バットマン「You still haven't given up on me?」
「まだ僕を見捨てないのか?」
アルフレッド「Never.」
ここのneverは「一度も~したことない」という意味です。
neverの一言に「どんなときでも、一度も見捨てたことなんてないですよ」という
アルフレッドの気持ちが込められてます。
様々な間違いを犯し、全てを失ったと絶望する中、なんと勇気つけられる一言でしょう。
このおっさん3人は、独善的に力を振るうことの多いバットマンに対して、
普通の一般人的で大きな力も持っていないのですが、逆にそれが、
まっとうな人の良心のように見えてしまうシーンがたくさんあります。
普通の人の小さな力ですが、これもまたこの映画の一つの題材ではないかと。
先ほどの「never」ですが、最後のゴードン巡査部長との会話シーンでも出てきます。

ゴードン「I never said thank you.」
「一度もありがとうと言ってなかったな」
バットマン「And you'll never have to.」
「そして、これからも言う必要はない」
翻訳では「礼など必要ない」になってますが、直訳の方がかっこいいし、続編に続く感じが残って良いです。
光が強ければ、闇もまた濃くなる。
警官がセミオートの銃を持てば、やつらはフルオートの銃を持つ。
警官が防弾チョッキを着れば、やつらは貫通弾を使ってくる。
マスクをかぶって空を飛べば、こんなやつらも出てくる。

この次作、ダークナイトの悪役ジョーカーがえらくかっこいいです。
ビギンズも面白いけど、ダークナイトを見てしまうと、これが序章にしか見えないくらいに。
見返りを求めない善行があるならば、見返りを求めない悪行もまたあり、
そして迷いなく行使する力に人は惹かれるのかもね。
It's not who you are underneath, it's what you do that defines you.
自分が何者かではなく、自分が何をするか。
んじゃば、また。