Q――現代のビジネスマンに要望することは?

三島:私はね、商人というのはきらいなんですよ。ですからね、万国博にも行っていないですよ。
あれは商人のお祭だから、武士は行かないんだといってがんばっているんです。

とはいいながらね、デパートだって商人だしね、武士といへども、商人とつきあわざるを得ない、
つらいところですよね(笑)。武士だけやっていると、お米も食えなくなっちゃう。

こういう世の中だから商人様全盛の世の中でしょ。ですけど、
ぼく本人の中にはやっぱり武士の魂はあると思ってね。

商人の中にも銭屋五兵衛みたいな男もいますしね。明治の政商でも、政治とかんでいて、
そこでやっぱり自分の意気地を投げ打つという気持ちがあったと思うんですよ。

商人がきらいという意味は、商人を尊敬しないわけじゃない。
ただ一般に、商人には自己犠牲の精神がないからきらいなんです。

日本人というのは、自己犠牲の精神がなくなったら日本人じゃないですよ。
今の商人というのはそういう気持がないから本当のユダヤ人になっちゃうだろうと思うんです。