芦矢雁之助の「娘よ」という歌をご存知だろうか?


♪~~
嫁に行く日が来なけりゃいいと 男親なら誰でも思う
早いもんだね二十歳を過ぎて
今日はお前の花嫁姿
贈る言葉はないけれど 風邪を引かずに達者で暮らせ


花嫁さんがないたらあかん
父さんのことは心配せんでええ
きれいや 今日のお前はほんまにきれいや
なぁ母さん
~~♪


うちの父親は、私がまだ小さい頃この曲にいたく感銘を受け、
「しろえるの結婚式にはこの歌を歌う!」と豪語し、
そこらじゅうで歌いまくっていた。
おかげで、嫁入りの時にこの歌を聞き感涙に咽ぶはずの娘はすっかり暗記してしまったのであるが。


そんなことはさておき、
「娘よ」をこよなく愛していた父親を見て育った私は、
幼心にも、「お父さんは私の嫁入りの時には陰で泣いたり、「達者で暮らせ」と言ったりするんだな」と思っていた。


GWを利用して結婚前最後の里帰りをしてきた。

実家を出発する日の朝、
朝まで仕事だった妹も駆けつけ、姉の嫁入りを見送ってくれるようだった。


家族+くろえるが揃っての朝食。
久しぶりの団欒・・・。最後の団欒・・・。


ふと父を見ると、NHKの朝の連続ドラマを必死で見ながらご飯を食べていた・・・(^▽^;)
ヾ( ̄o ̄;)オイオイ
て、照れ隠しですか・・・。

照れ隠しだよね・・・きっと・・・( ̄ー ̄;;;


テレビではしきりにUターンラッシュを伝えているため、早めに家を出ることになり、ばたばたと準備し荷物を車に積み込む。
母親と妹は家の前まで出てきてくれ、軽く談笑。


ふと気づくと父親がいない・・・。
照れくさくて出てこれないのだろうか・・・?
母親が業を煮やして呼びに行く。
「あーー、うーーー、達者で暮らせよ」とか言っちゃうのだろうか・・・?
父親が出てきたのを見て、ちょっとどきっとする。


父親が出てきて口を開いて出た言葉・・・
「ほんなら。」
標準語に直すと、「それじゃ」とでもなるのだろうか。
会話中なのに、いきなり「んじゃ、バイバイ」というノリ。
ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ
もうちょっとなんかあってもいいんじゃないのー?

その後、母親はくろえるに向かって「ふつつかな娘ですが・・・」という定番の言葉を言い、
嫁入りムードを演出してくれたので、

私も「長い間お世話になりましたっ!これからもお世話になりますっ!!」と元気に挨拶。
あんまりシリアスになっちゃうと泣いちゃいそうだし、泣かないで済む程度のノリで一応言ってみた。


そして、出発の時間・・・。

結局最後まで、父親の口から「ほんなら」以外の言葉は出てこなかった。

このご時世会おうと思えばいつでも会えるし、今生の別れという訳でもないので、昔ほど涙の別れをしなくても良いとは思うが、もう一声欲しかったよ、お父さん(^-^;;;;


でも、そういうところが、さすが私の親・・・なんだけどね。
私は父さんのお腹から産まれたに違いない。



何はともあれ、明日人妻になるようです☆