行って来ました。



養老は、岐阜県の南西部にある、山の裾にあり養老の滝や渓谷が有名な土地です。
養老の滝は、親孝行の伝説「養老孝子伝説」、滝の水がお酒になる話で知られてます。子どもの頃に訪れたこともありました。
そこにアートスポットがあると知り、何かの機会に、訪ねようと思ったのが今年の夏の話でした。
養老天命反転地、天命が反転するって?
こういうことなんですか。

意外と早くその機会が来ました。
名古屋ボストン美術館の閉館と合わせての訪問。

さてさて、
まず、電車ならば養老鉄道(元近鉄養老線)の養老駅、徒歩でも行ける距離ですが、無料送迎マイクロバスが出ており、見ると一本道にら坂道なので、使いましょう。
また、駅に団体料金になる割引券のついたチラシがあるかもしれないので、駅前にいる係員さんに聞いてみましょう。私は利用しました(750円が520円になりました。)




養老は瓢箪も名産で、これに養老の滝の水が酒になり、瓢箪に入れた話があります。

電車もレトロ、昭和の薫りです。

さて、5分も行くと到着しました。最初の停車場所で、徒歩でもうすぐに入り口へ。

最初は丘陵地の子どもが遊べる芝生の公園か?

進んでみると、カラフルな建物

養老天命反転地記念館


先に見せてしまいましたが、天井と床に同じようなつくりになっています。


また、ここは映像やドローイングがあり、アートスポットな雰囲気でした。
ここは誰が作ったの?ですが、お隣の愛知出身の現代美術家荒川修作(前日に名古屋市美術館で作品見られて、さすが地元だと思いました。)と詩人ドリン・キンズのプロジェクトを実現したテーマパーク。

そうそう、映像は東京の三鷹にある同じような天命反転住宅のものでした。見てると行きたくなります。


荒川修作さんです。





床と天井見ると、同じような作りになってます。




さて、トイレくらいは真っ直ぐだろうと思ってたら、天井に卓球台があるではないですか。


トイレまで反転してるとは侮れない場所なこと。

さてここは、1995年に開園。養老山脈の裾野の丘陵地を利用して、全体が一つのアート作品、天地が入れ替わる?重力に逆らうような気分になると、そんなところです。

さて、隣には



究極で似るものの家と言います。
天井は岐阜県の形をしてます。
で、中はどうなってるの?








とにかく平らな場所が無いのです。
こんな家具やら台所の器具やら、電話や机やソファーがあるのです。
柱が刺さり、もうなんだか廃墟のようでした。妙に生活感がありましたけれどね。

で、下ばかり見てたんですが、上を見てみると




上にもやはり下にあるものが天井に付いてるではありませんか。
トイレとかまで(^_^;)




写真が上手くとれてないのは、多分天井にそんなものあって欲しくない気持ちからなのかも、と言い訳を。

さて、こんな二つの手前の建物、荒川さんは、見てるだけで人々の気持ちが変わるような立体物を作りみせる芸術家であり、これは展示ではなく、作品の中に入り込むスタイルで、相当気持ちや感覚が揺さぶられました。
面白いことに、私どこかに行けば平らな場所があるはずだ、なんて言う気持ちが非常に強くなりました。
不思議な絵画を体感して、あー、この絵はこんな状態なんだと、思いました。
滑る靴は御法度です。また時々穴もあり落ちたりしないように、坂を滑り落ちないように、と足も進まない感じでした。
が、なんだか楽しくもありました。

清綴の棟

いよいよ坂道、意外に登れました。
穴があるんですね。これには落ちるとヤバイかも。







楕円形のフィールド

山瀬の通路を歩いたり窪地を下り上り。
意外に体力要ります。
足がやばいかも。
場所にそれぞれ名前があるのですが
運動路、陥入膜の径、想像のへそ、地霊、白昼の混乱地帯、切り閉じの間、もののあわれ変容器
どうでしょ、現代アートらしい?

ここでは、何故かひたすら前進したくなる衝動に軽く陥りました。何でなんでしょうか。
反転というか水平線がどこにあるのか完全になくすと高さなんか感じなくなるんですね。高いところへ進んでるのに、あまり高くないというか、と、思うといきなり高所に。
水平線が高いとか低いとか風景絵画を見るとよく解説してありますが、それって大変なことかもしれませんね。

山の背を進むと、あ、ネタバレになるのでこれは書きません。




さてそこから窪地へ。






















おや、と鋭い方はお気づきかもしれませんが、この楕円形のフィールドにある建物、何かに似てるようです。
ヒントはここの建物が分割されているんですね。

生憎と日本列島の紋様があるんですが、かなり大きいのに見つけることがて来ませんでした。

前半は天地入れ替わり可能
後半は高いのか低いのか分からない
絵にして見るのは容易ですが、それを体感する、絵のなかに入るのは実に実に大変なことでした。

天命反転、死に向けて生きる、その反対は死なない生き方、それがここのコンセプト、約30年かけてそれを探索した成果だけあり、理解を越えて、これらが迫って来る感じでした。
でも、今流行りのインスタ映えなスポットで子どもから大人まで楽しめるのでは。
出来たら複数で行く方が楽しいかも。
また動きやすい格好で行きましょう。