介護現場では感染症対策が必須ですが、万が一利用者が感染症にかかった場合は重症化を防ぐ取り組みに注力する必要があります。高齢者は免疫力が低下している場合が多く、わずかな体調の変化から症状が急激に悪化する危険性を抱えています。日頃から職員が利用者の体温や脈拍などの数値を正確に記録し、小さな変化を見逃さない観察体制を常に整備することが重要です。
感染症の重症化を未然に防ぐためには、早期発見と迅速な初期対応が欠かせません。利用者に発熱や咳などの症状が現れた段階で、すぐに他の利用者との接触を避ける隔離措置を行います。併せて医療機関や協力医師へ速やかに連絡を取り、指示に従って適切な治療や処置を開始する手順を施設内で標準化しておく必要があります。
介護現場における衛生管理の徹底も、重症化予防を支える大きな要因です。職員は手指消毒やマスクの着用を基本動作として徹底し、さらなる病原体の持ち込みを遮断します。共用部分の清掃や定期的な換気を実施して施設内の環境を清潔に保つことによって、施設内での二次感染による被害の拡大や病状の悪化を確実に防ぐことが可能になります。
職員間の情報共有と定期的な研修の実施は、対応力を高めるために有効に機能します。観察した利用者の状態を詳細な記録に残して全スタッフで共有し、異変に対して迅速に対応できる体制を維持します。感染症に関する基礎知識や緊急時の行動手順を継続 的に学ぶことで、組織全体で重症化リスクの低減を継続的に図りましょう。
高齢者は体力や筋力が衰えています。また、咀嚼力も弱くなり、食事による栄養摂取が思うように進まないこともあるでしょう。高齢者は免疫力も落ちているため、どうしても感染症にかかりやすくなってしまいます。普段の免疫力では感染しにくい病気でもかかりやすくなるため、介護にあたる人は注意しましょう。
高齢者がかかりやすい感染症として、一番ポピュラーなものがインフルエンザです。熱や体、喉の痛みなどが主な症状ですが、場合によっては脳症の発症や誤嚥性肺炎の引き金となるケースもあるので注意が必要です。高齢者は重症化しやすくなることも考えられます。また、集団感染をしやすいウイルスなので、施設内で発生した場合は隔離などの予防措置が求められます。
インフルエンザと同様に気をつけなければならないのが、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。介護施設などで食中毒による感染性胃腸炎の可能性は少ないのですが、介護職員や面会者がウイルスを媒介することがあります。少々の体調不良で出勤し、介護を担うことで瞬く間に感染性胃腸炎が広がってしまいます。おむつの交換やトイレの処理の際に周囲の利用者に感染のリスクが広がるため、注意したい事案です。
利用者、介護者ともに手洗いやうがい、消毒などを励行することである程度までは防げます。しかし、先述した通り、免疫力や抵抗力が弱まっている高齢者の場合は、容易に感染しやすくなるため注意が必要です。トイレや浴室の掃除の際に、消毒をすることも大切です。
介護施設内での感染は、なにも利用者だけとは限りません。施設内で勤務している介護士は、通勤途中に感染しそのまま施設内に持ち込んでしまうかもしれません。その逆もまたしかりです。施設内で感染者が出てしまった時は、最善の抗菌対策を行ってください。接触感染や飛沫感染、空気感染など、どれを聞いても怖くなりますが、マスク、触ったものの除菌、密にならないなど基本的なことを徹底して守っていれば感染を最小限に留めることはできます。
介護士や看護師などの医療従事者は、ワクチンの接種が義務付けられていることもありますが、介護士が気を付けなければならないのは睡眠です。睡眠不足は免疫力低下を促進します。そのため、同じ場所にいて同じ環境でも一人は感染せず、もう一人は感染したというケースも。免疫力は、何をしたら必ずつくという特効薬がありませんが、睡眠不足、栄養不足、水分不足はいくら若くても免疫力が下がればすぐ感染してしまいます。
施設内の食事も、口に入れる行為ですから十分に人との距離を取った上で、消毒、抗菌の処置を施しましょう。手袋とマスクは必須です。お酒やタバコといった嗜好品も体温を下げてしまうので、感染予防に期間中は我慢するなどにしておいた方がよいでしょう。
食事に取り入れてほしいのは、ショウガを使ったお料理です。ショウガは体を温めるハーブとして知られています。生姜湯、ショウガ炒め、ショウガをお味噌汁に入れて飲むなど一つの工夫で感染症を防ぐことができます。その他、感染症に関する注意点やおさえておくべきポイントについては、こちらの情報サイトも参考にしてみてください。