―『 常春の家 』―

 

先日、新潟県妙高市にある『家'Sハセガワ』さんという会社を見学させていただき

ました。この会社は、住宅の建築やリフォームを手掛けている会社で新潟県の雪や

寒さといった地域の特性にあった住宅を、地域密着で提供することで実績をあげら

れている会社です。具体的には、積雪4mまで雪下ろし不要の『耐雪住宅』や、北

海道の仕様を取り入れ、断熱を強化し家全体を暖かく保つ『常春の家』など。

http://www.yeshasegawa.co.jp/

地域に根差したサービス、商品でお客さんはもちろん社員や大工さんに優しい経営

は非常に勉強になりました。

 

私も15年ほど前に自宅を新築しました。広いリビングや吹き抜けにあこがれて建

てた家ですが、この季節、寒くなってみるとはっきり言って「寒いだけ・・。」

「狭くてもいいので、すぐ温まる部屋がいいな~。」

「冬でも洗濯物を干せるスペースがほしいな~。」

など、格好良ければ良いってもんじゃないな、と痛感しています。

 

高校の卒業式だったでしょうか、当時の校長先生の言った言葉が心に残っています。

「雪が積もる地域に育ったことはきっと君たちの役に立つ。だからこの地域に育っ

たことを誇りに思ってほしい。」というような内容だったと記憶しています。

 

当時は何がなんやら意味が分かりませんでした。しかし最近うっすらわかりかけて

きたような気がします。会社経営という場で、社会の波にさらされてみると、どう

も景気の変動、外部環境の変化というまるで季節のような変化がある。必ず冬が来

るように必ず不景気は来るし、必ず春が来るように必ず景気が良くなるタイミング

がある。ただ季節と違うのはいつ変化が来るかが読めないということでしょうか?

 

つまり、冬を前に雪囲いをしたり、暖房器具を整えたり、除雪機を整備したり、そ

して長い冬を耐え抜く、そんな新潟県民の習性は社会の変化の波を乗り越えるため

にも役に立つんだと校長先生は言いたかったのではないかと・・。

 

近頃は仕事が増え、職人の不足も顕著になっています。こんな時こそ格好をつける

のではなく、新潟県民の特性を生かし、不景気という名の冬に強く、そんな時でも

暖かい、そんな『常春の家』づくりをしていくべきではないでしょうか?

 

トンテンカン、トンテンカン、会社という名の家づくり。

冬が来る前に、スピード感を持って。