先日、タイのMCSスチール(http://www.mcssteel.com/jp/)さんを訪問
させていただきました。MCSさんはいわゆる私どもと同業のファブリケー
ターです。今回、弊社のお客様であり、また私が3年間修行させていただ
いた、JFEシビル(株)さんが現地の現場でCM業務に携わっておられてお
り、そのご縁でお邪魔させていただくことが出来ました。
MCSさんは、製品の多くを日本に輸出されています。私が言うのもなんで
すが工場はとてもきれいに整頓され、製品は細心の注意を払って製作・管
理されているのがよくわかります。製品の情報はバーコードでコンピュー
ターによってすべて管理され、会社案内や会社PRのビデオは毎年新しい物
に更新しているのとのこと。そして続々と新工場の増設や設備投資をされ
ているとのことでした。
特に強く感じたのは、その品質を維持・向上させる仕組み、低コストで製
品をつくるための仕組みがあらゆるものすべてに張り巡らされていること
です。たとえばMCSさんでは製品のチェックはその製品を作った本人がす
ることになっているそうです。その記録を書面に残すのです。でもそれだ
けでは当人のチェック、検査が不十分では品質を管理できません。そこで
そのチェックする仕組みをチェックし、決められた行動を取れない人はそ
れなりの罰則がある。そこまで2重3重の仕組みを積み重ね管理している
のです。これは一朝一夕には到底できないことでしょう。
こんなすばらしい会社はどうしたら出来るのだろう?と私なりに考えまし
た。一つは「会長(社長)のこだわり」です。工場やヤードでの製品の並
べ方一つとっても、先述した管理の仕組みをとってもそれを考え抜くこだ
わり、根性のようなもの、そんなものがあるのではないかと感じています。
そして二つ目は「戦いの場」です。今の日本に立地したファブがこれだけ
の大掛かりな投資を継続して行い続けることはとても難しい。タイに立地
したことで、もちろん社長さんはじめ社員の皆さんはとても苦労されたこ
とと思いますが、その利点を活用し、新たなビジネスモデルを確立したこ
とも大きな要因と感じます。
会社を「船」にたとえれば、速く、長い距離を、壊れずに航行できる、そ
んな船を作り上げるのが「会長(社長)のこだわり」。そして、どこで漁
をするのかが「戦いの場」ということになります。お客様のご意見をお伺
いしながらどのような仕事で、どのようなサービスでお役に立つことが
出来るのか、アタマから火が出るくらい考える必要がありそうです・・。
ところで、最近、お客様や取引先に電話をかけると「海外出張中です。」と
答えが返ってくることが時々あります。時代は変わりつつありますね。