H形鋼相場、東鉄値下げに反応薄 「高炉追随せず」観測強く  


日本経済新聞  2008年8月22日

 建設用鋼材であるH形鋼の市中相場が横ばいで推移している。19日に東京製鉄が値下げ発表したにもかかわらず、流通業者は現行の販売価格を当面維持する構え。電炉の東鉄製品は高炉製品より割高だったうえ、高炉は値下げに追随しないとの観測が強い。

 H形鋼の店売り(一般流通)価格は東京で現在1トン12万7000―13万円。7月後半以降、約1カ月変わっていない。



東京製鉄が鋼材を大幅値下げ

nikkei BPnet   2008年8月20日 10時44分

国内電炉メーカー最大手でH形鋼の最大シェアを持つ東京製鉄は8月19日、9月契約分の鋼材の一般流通向け価格を引き下げた。8月契約分に比べて、H形鋼と鋼矢板は1t当たり1万円、異形棒鋼は1万2000円のそれぞれ値下げとなる。年初から続いた鋼材高騰の潮目になりそうだ。

原料の鉄スクラップ高を転嫁するために、東京製鉄は2月契約分から鋼材を値上げしてきた。6月契約分までの5カ月間におけるH形鋼の値上げ幅は1t当たり4万8000円に上り、価格は1.6倍になった。それでも鉄スクラップ高には追いつかず、同社の2008年4―6月期決算は営業損失に陥った。

鋼材高を招いた鉄スクラップ価格は、8月に入り急落。電力料金の高い夏の減産期を迎えたことや建設需要の低迷から、国内電炉メーカー各社が鉄スクラップを買い控えたためだ。韓国向けをはじめ輸出も減っている。