主要なパーツはほぼ全部分解してみました。
これは上海から輸入したもの。先日ツインのFCRを購入して、FCRに興味深々になり買ってしまいました。
本来ケイヒンのFCRだとFCR35はラージボディなんですよね。
これはスモールボディを無理矢理35に近づけるためにインシュレーター(out)側が33.3mm、ファンネル(IN)側が34mmになっています。
多分OUT側はスピゴットの強度を考えて製品として責任を持てる限界がこれくらいだったんでしょうか。で、IN側をいきなり35mmにしてしまうと段差がありすぎるから34くらいでとか...ファンネルには33と35で違いを出しているのかな?
というわけで、内径拡大実験開始です。
旋盤で内径を拡大するにあたって、最初に気になっていたのはこれ↓
ポンプジェット。すでに外してありますが、これが飛び出してました。圧入されているんだろうとは思っていましたが、反対側をみても穴がありません。
しかし、よく見てみると2.5mm六角穴ネジが2本対角線上にありました。実はこのボディのメインパーツ、2パーツで構成させれいて、これらのネジを外すと分解できました。
接着剤で固定されていて超硬くかなり苦戦したんですが、最終的にバーナーで温めながら2.5mmの六角で回すと外れます。(↓の写真の真ん中右よりの穴がネジを外した跡)
すると、さっきのポンプジェットを上からプレスして簡単に外せました。マイナスの溝が掘ってあるのはガソリンの噴出穴の位置を調整するためのもの。
こうなるとあとは旋盤で加工するだけ。
ただ、スピゴット側に治具を製作して旋盤で回してみたんですが、どうにもブレがあります。
スピゴットとキャブにも購入時から微妙にズレがあったので製造時の内径の調整は何か別の方法だったのかもしれません。
あれこれ試してみたんですが、スピゴット側からの回転ではどうにも芯を出すことができませんでした。
ただ、はやる気持ちを抑えられず強引に拡大してみました。
すると
反対のIN側で、この縁の厚みが0.44mmと0.94mmで0.5mm差が出てしまいました。
しかも本当は35mmにしたかったのに、調子に乗って、というか失敗して35.5mmまでやってしまいました。
FCR35.5になります。
同じようにスピゴットも内径を35.5mmまで拡大しました。
かなり薄くなるんですが、自己責任だとなんとがギリギリ使える強度のように思えます。
で、最終的に気になるのが、ニードルバルブのある部分。
ここの内径は32mm弱だったと思います。
ソレックスやウェーバーではアウターベンチュリーを入れて内部の空気の流速を早めるようにしますが、そのような効果を狙ってでしょうか...
内径を拡大したことで段付きがはっきり見えるようになりました。
ただ、この部品、スモールボディではサイズ的にこれが限界のようで、内径を拡大するのもどうかなぁと思ったので、先ほどの流速アップ効果を期待してこのままにすることにしました。
これが吸入空気にどういう影響を与えるか定かではありません。
ただ、全開状態にすると、
バルブの通る隙間があくので、流入空気量自体は確保できてます。
でも、脇を通る空気と中心を通る空気の流れが違うとでメインジェットからの混合気の量はどうなるんだろう...
とも思うんですが、イタリア製のソレックスでは、メインジェットからの混合気はベンチュリーをつかって小さな枠から出るようになっているので、問題ないかな...
ある程度規則性があればセッティングで問題なくなると思うんですが...
というわけで加工実験はこれにて終了。
次はこれをツインにしようと思います。細かいパーツの調達・製作が面倒ですが、製造自体は可能でしょう。