対人戦で全ターンプレイ貫徹が難しいと思われるゲーム。例によってソロプレーにて全ターンプレイしてみました。


1940年5月Ⅰ~9月Ⅱ(全1+10ターン)

※5月Ⅰターンのみ①ドイツ軍侵攻ターン、②連合軍対応フェイズ~③通常通りドイツ軍プレイヤーターン、④通常通り連合軍プレイヤーターンと事実上2回ターンがある。

シークエンス

先攻ドイツ軍  後攻連合軍

補給判定フェイズ

移動フェイズ

航空フェイズ

戦闘フェイズ(メイアタック)

機動フェイズ(車両化ユニット)

1ターン2週間。1ヘクス16マイル(約25km)。


シナリオ

フランス崩壊(ヒストリカルシナリオ)を選択。


プレイ前の確認事項

過去の数回のテストプレイを元に以下のとおり解釈してプレイします。

①連合軍対応フェイズの確認

ルール31C①第1ターンの連合軍対応フェイズ。フランス軍要塞地区ユニットは移動不可。

15××以北でセーヌ河以東の仏、英軍はベルギーへ移動可能~フランス崩壊シナリオではルール33A②より「必ず」ベルギー又はオランダ国内にて移動終了。D計画の通り移動しなければならない。いわゆる陰謀ルール。

独軍の侵攻を受けた中立国であるオランダ、ベルギーは連合軍対応フェイズ又は連合軍プレイヤーターンのどちらかに移動可能。

仏軍の総司令部予備などの部隊、対応フェイズに移動できるのは15××以北でセーヌ河以東の仏、英軍のみ。

②陣地の構築

敵ゾック内構築不可。構築中は中断するものとする。

③選択ルールの採用

オランダ降伏の緩和。航空戦闘解決。航空戦闘選択バリエーション(空戦の解決サイコロを1個でなくて2個使用)などルール35の選択ルールは使用しない。

④マップについて

90センチ×60センチの机1個を使用する。マップ2枚全て使用する。

イタリア~南仏方面はみ出るが、下に薄い発泡スチロール版を入れて補強するといいです。100円ショップで3mm(5mmは厚すぎる)の版がよろしいかと思います。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
マップ全景。


⑤初期配置について

スイス侵攻しないのでスイス軍は配置しない。盤上をスッキリさせたいので。

独軍AAカウンターは使用しない。やはりジャマなだけ。独軍は2-10自動車化重AA連隊、0-1-10自動車化軽AA連隊ユニットが多数登場するのでゲーム上さほど問題ないと思う。



エラッタの確認

①Ju88Aの航続距離

40→26とする。

後発のファイアー・イン・ザ・イーストのルールブックに記載あります。実際プレイしてみると40もの距離は必要としない気がします。

②タクテクスNo.28 昭和61年3月発行。P117正誤表より

侵攻ターンに移動したユニットもドイツ軍プレイヤーターンに移動を行えます。とあります。

→このエラッタは、全ターンプレイ後発見しました。少々不明な文章です。「独軍は」侵攻ターン及びその後の独軍プレイヤーターンにも移動できるということなのでしょう。初めからこのように解釈していたので、結果的に本プレイに影響しませんでした。また、これら移動は可能ユニットは「連合軍ユニット」ではないと思います。2回移動できるとおかしな展開になります。詳細は後日。

③タクテクスNo.28 昭和61年3月発行。P117正誤表より

ユニット英RAFスピットファイア2→スピットファイア1が正しい。性能値は正しいので問題ありません。

④地形効果表

西方防壁とマジノ線の解説が逆です。

その他

本作はコマ総数2040個!もあります。しかし、使用しないユニットがかなりあります。ですので2040個も使用しません。WW2開戦1939年以降のユニットです。特にフランス陸海空軍大量にあります。陸軍ユニットに関しては部隊番号をひとつひとつ照らし合わせて、本作で使うか使わないか判別するのが大変でした。ジャマなので使わないユニットをまとめてビニール袋に入れておきました。


セットアップ

大量のユニット等を配置しなければなりません。今回は連合軍のみ史実の部隊番号と同じ部隊を配置しました。同じ部隊番号でなくとも同じ戦闘値-移動力ユニットなら問題ありません。

配置する順番ですが、仏軍AAカウンター、仏陸軍(うち総司令部予備をアスタリスクで表示しておくとヨイかと)、英軍、ベルギー軍、オランダ軍、仏空軍・英空軍&飛行場、独空軍&飛行場、独軍(うち総司令部予備は独軍侵攻ターン移動不可なので180°反対向きにしておく)の順がモアベターかもしれません。ハイスタックになるのでセットアップから軍団ディスプレイ使用をおすすめします。今回の場合、リプレイのため、とりあえず軍団ディスプレイ使用しないでプレイしました。

仏空軍の飛行場について、戦闘機はセダンをAZ(エアーゾック)の範囲内にしておく。戦闘機を温存しても意味ないかと考え序盤から全力で迎撃できるようにしておく。

仏陸軍は一部限定的ながら自由配置。セダンなどミューズ川渡河地点に多数の砲兵を配置。スタック強化しておく。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
初期配置:オランダ方面。オランダ軍はオレンジ色。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
初期配置:ベルギー方面。ベルギー軍は緑色。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
初期配置:英仏海峡都市の仏軍(青色)。BEF(肌色)。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
初期配置:アルデンヌの様子。弱小ベルギー軍しか配置されない。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
初期配置:マジノ線~小マジノ線。


勝利条件クラッカー

両軍ともVPを獲得して勝敗を判定する。

例えば、師団撃破(歩兵/車両化部隊別)、航空機撃破、恐怖爆撃、主要都市占領(リール、ボドー、リヨン、マルユイユなど)、フランス降伏(50VP)などなど。

VP集計後、2:1、3:1など比にして勝敗決定。1:1以下で連合軍勝利。2:1以上で独軍勝利。

フランス降伏したらその時点で終了とする。


ソロプレイなので例によって事前の方針を決めておく。

独軍の作戦方針

基本的にマンシュタインプランを採用する。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!-独軍侵攻ルート
赤色:装甲部隊の侵攻ルート。英仏軍包囲を目指す。

緑色:歩兵師団の侵攻ルート。装甲部隊の補給線確保が目的。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
毎度おなじみアルデンヌ。ここから突破を図る。


第1段階

主力のクライスト装甲集団らの装甲師団、自動車化歩兵師団らでアルデンヌ突破~セダン攻略/ミューズ川渡河~英仏海峡リール目指し突進~主要都市リール占領~オステンド方面などで英仏軍包囲網~英仏軍を包囲殲滅ドンッ

歩兵師団はマジノ線正面攻撃はしない。圧力をかける。

エバン・エマール要塞へ空挺降下、無力化を図る。別にオランダ~ベルギーを遮断すべく空挺降下実施。これはオランダ降伏が目的。

歩兵師団群でオランダ攻撃ドンッオランダを第1ターン早々降伏せしめる。

ベルギー侵攻は補給線確保上重要。歩兵師団群で攻撃。リェージェ~ナミュールの輸送線=補給線を確保。アルデンヌ方面から突破する装甲部隊の補給確保に大変重要なので。過去のプレイよりベルギーは川に囲まれている&主要都市で攻めにくい。スツーカらによる地上支援爆弾、砲兵、攻城砲、列車砲、戦闘工兵を重点的に回すこととする。

空軍はJu87、Do17Zら主に地上支援爆弾Ju88Aらで南仏方面の鉄道線爆撃爆弾マジノ線余剰部隊の北仏転戦を妨害する。

第2段階

第二次フランス戦開始。装甲部隊主力パリへ突進~パリ占領又は無血入城~ル・アーブル、コタンタン半島(シェルブールがある)制圧による英仏軍脱出阻止。ブリュタニュー半島制圧。ボルドー圧迫。パリ方面、多数の陣地が構築されるので、損害に注意する。

歩兵師団はマジノ線包囲へ。マジノ線の切れ目のルクセンブルク方面から旋回して包囲を図る。パリ突進の装甲部隊側面防御&仏軍撃破を図る。また、可及的速やかに装甲部隊に歩兵師団を送る。装甲部隊のみでは突破難しい&損害吸収用として。ラスト南仏主要都市リヨン又はボルドー侵攻にてフランス崩壊~降伏を目指す。

以上、リール占領、パリ占領、マジノ線孤立、ボルドー又はリヨンの占領又はBEFの撃破による仏本土からの撃退によるフランス降伏を目指す。

その他

マジノ線(本作では厳密に言うと赤色ヘクス5ヘクスのみ)正面には攻撃かけない。大変強力な地形効果を有するので正面攻撃は無謀。南仏に延びる小マジノ線(AARの都合上、構築陣地ヘクスサイドをこう称することにする)については、弱体化したら攻撃~突破を図る。ともかく、マジノ線防衛のの仏軍を拘束すればヨイ。

工兵は速やかに前進。飛行場建設にはげむ。Me109Eが7と航続距離が低いので。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
マジノ線。あまたのウォーゲーム同様本作でも強力。正面攻撃は無謀かと。


連合軍の作戦方針

ハッキリ言ってあんましないように思える汗D計画に伴う陰謀ルールで英仏主力はベルギーに入らざるを得ない。首尾よく脱出して仏機甲師団、自動車化歩兵師団は後方で機動打撃部隊として独軍ににらみをきかせるものとする。BEFもとっとと脱出。戦線後方で予備とする。状況に応じて、突出した独装甲師団に打撃、独歩兵師団に打撃/離脱などヒット・エンドランしたいとこだ。

序盤のセダン~ミューズ川渡河戦がひとつの山場と考え航空機は全力投入することとする。

ともかく、北アフリカからの転戦部隊、増援、マジノ線の余剰部隊抽出で何とか「延命」を図るしかないかな。

オランダはどーもならん。ベルギーは川と主要都市という地形効果を活用してガンバってもらうしかない。

戦術として、強力な独装甲部隊の突進を喰い止めるのは陣地しかない。幸いにも連合軍は工兵をかなり有する。先読みをして陣地を構築する。パリ方面のセーヌ川沿いなどに早々に陣地線を構築して独軍を迎え撃ちたい。

無意味な死守はしないで後退するようにしたい。ソ連軍みたく無尽蔵に補充、増援はないので。前線はできるだけ陣地&歩兵に任せて戦車は後方に控えて機動予備としたい。