今回は、元旦鏡餅のZ計画に基づいてザ・サード・ワールド・ウォー セントラルフロントをおひとり様プレイしてみます。これを購入したのが中学3年生ですかね。以来ひたすらプレイしていた記憶があります。対人戦もした記憶があります。

なお、旧タクテクス誌にこのゲームの紹介、作戦研究があるみたいですが残念ながら読んでません。過去にヤフオクで入札試みましたがすんでのトコで失敗してしましました。なので、ルールの誤釈などあるかもしれません。すんません汗


背景

1990年中東での政変をきっかけにソ連を盟主としたワルシャワ条約機構(以下、WP)~東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ブルガリアなどといった東欧諸国がアメリカ、西ドイツ、イギリスを中心としたNATO北大西洋条約機構~フランス、デンマーク、オランダ、ベルギー、スペイン、カナダ、イタリア、ノルウェー、トルコ、ギリシャなど西欧諸国と主戦場たる西ドイツ、北はノルゥエー、南はイタリア、トルコ、ギリシャといったバルカン半島で壮絶バトル~第3次世界大戦するという現代戦です。


WPとNATOが西ドイツでWW3は、80年代後半当時架空戦記などで流行した感があります。例えば、古いのですが、本作にも影響を与えたと考える二見書房「第3次世界大戦 1985年」ジョン・ハケット著を思い出します。さらに、テレビ番組にNHK「21世紀は警告する」とかいうタイトルで、WW3が勃発した場合を予言する番組ありましたね。WPの大戦車軍団が西独に侵攻!!どう対抗するか?というような内容でした。戦車の弱点である上面装甲をトップアタックミサイル(MLRS?)で叩く。しまいにゃ中性子爆弾を使うかも!?なんてヤバイ&軍事色が強い番組がありました。中学生当時ビデオに録画して何度も見た記憶があります。ビデオ消しちゃったかな…。惜しいことをしましたて。


シークエンスは当時のWPの攻勢ドクトリンに基づいて2回のインパルスにより最大4回までの移動/攻撃ができえます。もっとも、NATOゾックにいると移動/攻撃できないのですが、最低2回は移動/攻撃できます。

対するNATO軍はWP2回のインパルス間にWPゾックにいない部隊が移動/攻撃できるなど対応できます。さらに、NATOセグメントはWPゾックに関係なく2回連続して移動/攻撃できます。

このようなシークエンスを用いて最大4回まで攻撃できうるWPと予備インパルスなどでの対応など両軍のドクトリンの違いを再現してます。


以下、現代戦らしいルール、ユニットの特徴についてピックアップします。


航空機、陸上部隊がユニット化されてます。艦船ユニットはありません。現代戦の海戦をしたい方はVGのフリートシリーズ~大西洋を舞台とした「第2艦隊」をプレイするといいでしょうね。

航空機は1ユニット約100機単位。陸上部隊は、原則、師団単位。1ヘクス45キロ。面白いのは現代戦らしく攻撃ヘリコプターなどが登場しますが「陸上ユニット化」されています。航空機扱いされていない分、「空中機動ゾック」なるものがあり、このゾックを有しない一般陸上ユニットのゾックをすり抜けられます。


航空ユニット

航空ユニットは、制空値、対地攻撃、打撃/阻止、航続距離、全天候能力があります。

以下、値は最強5。最弱1です。

なお「1990年」を想定しているので残念ながら最新鋭のF22ラプター、ユーロファイター、Su35など最新鋭機は登場しませんしょぼん

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
NATO軍


上段:F19、F15、F16、TorF、Mir2000、F18、TorG、MirF1

下段:F15E、F111、F4、ジャギュア、Mir、アルファジェット、A10、ハリアー

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!
WP軍


上段:Su27、Mig29、Mig23、Mig21、Su24、Mig27

下段:Su25、Su17、ブラックジャック、Su20

制空任務

制空値は文字どおり空戦の能力です。F19、F15、Su27が最強の5。次いでF16、F14、F15E、F/A18、Mir2000、TorF、Mig29などが4。制空値3は、TorG、MirF1、T5、Mig23などです。

制空割り当てはWPが先に割り当てる。また、原則、各航空任務も先にWPが割り当てる。これにより、後のNATOは、WPの航空機を見て、有利に迎撃/空中戦を展開できる。AWACSの優位性を表しています。WPは非常に不利です。


対地攻撃爆弾

対地攻撃は、戦闘時コラムシフトします。

最強はA10の4。次いでハリアーの3。セガ大戦略などではハリアーはVTOL戦闘機扱いですが、本作では攻撃機扱いです。対するWPはSu25が3。その他、トーネードG、ジャギュア、ミラージュ、Mig27、Su17などなどが2です。

4シフトもあっけなくコラムシフトできるA10はWPにとってたいへんおそろしいヤツです叫び例えば、戦闘力10以上のWP1級師団9個で米15防御力の機甲師団を6:1→練度差で5:1になって、A10が防御支援すると、一気に1:1になってしまう…。ということが起こり得ます。たいへんやっかいな存在です。対策はド根性パンチ!ダイス判定で対空射撃5、6出すしかない感じです。


長距離侵攻(兵站打撃、滑走路破壊)

長距離侵攻は、空爆により兵站打撃によって補給切れにおとし入れる。滑走路を破壊といった後方破壊を行えます。航続距離M以上の航空機が可能です。最強は6のWPのブラックジャック。NATOではF111の5。次いでF15Eの4です。WPのSu24の3などです。ちなみに、本作では登場しませんが、「ペルシアンガルフ」で登場する米B52は10打撃と最強の打撃力を誇ります。トゥールハンマーか?といった感じです。

滑走路破壊はサイの目判定により航空機を破壊したり地上待機状態にします。兵站打撃は陸上部隊を補給切れにせしめますが、あまり効果ありません。理由は緊急補給優先ルールにより補給切れでなくすことができます。その分、倍の部隊を補給切れになるのですが。ユニット数が多数あるWPに効果はないかもしれません。打撃を受けて再編成中。弱小師団を補給切れにすればいいのですから。

滑走路破壊は重要です。湾岸戦争(近年のイラク戦争でない)でも、多国籍軍は、当初徹底的にシツコク執念深く滑走路破壊してました。ワタシの場合、WPは第1ターンブラックジャックなどで必ず滑走路破壊を試みます。第2ターンのWP制空権が握れる可能性があるからです。これについては後述します。NATO軍は第1ターンはルール上滑走路破壊できませんが、第2ターンからガンガン滑走路破壊すべきでしょう。F111、F15Eなどで実施します。

でもって、ルール解釈と。これら「長距離侵攻」は何ユニットも実施可能と解釈します。湾岸戦争でも開戦当初多数の航空機が実施してますし。1ターン1ユニット~100機のみ可能は不自然と考えます。


打撃/阻止ドンッ

打撃/阻止は直接陸上部隊に打撃を与えるもの。判定により打撃を与えられます。さらに、場合によって移動力を奪えます。一種の交通妨害も兼ねています。これまた湾岸戦争で、多国籍軍は、徹底的にシツコク執念深く爆撃してました。このシツコイ爆撃には、ある米議員が疑問に感じて総司令官のシュワルツコフに時間かけすぎでは?と言ったところ、そんなことはない!!と猛反論されたと本で読んだ事があります。

ただ、本作では味方にも同士討ちがあるので注意が必要です。特に、ルール上戦闘後前進は少なくとも1ユニットは攻撃したヘクスに残らなければなりませんので。なので、打撃により敵ユニット練度低下~攻撃~戦闘後前進~しづらい場合があります。なので、本作ではあまり使用しないかもしれません。攻勢進路上はやらない方がいいのかもしれません。


航空機の全天候能力晴れ雷台風

全天候能力について、天候判定3分の2で悪天候で曇り又は嵐になります。曇りの場合は全天候能力有しないと、値が半分になります。嵐は全天候能力ないと任務できません。つまり、対地攻撃ができなくなります。なので、航空戦力に劣るWPからすると、悪天候の方がいいのかもしれません。ノルマンディ・バルジのドイツ軍か?という感じでしょうか。A10の対地攻撃4シフトがなくなるというのはかなりのプレッシャーから解放される感じです。WPは、サイの目判定で悪天候を狙いましょう。

なお、第1ターンは自動的に晴天とすべきでしょう。唯一、第1ターン制空権が握れるWPは、晴天晴れで対地攻撃などをフルに活用して攻撃しないと第1ターンでイキナリ攻勢が挫折しますので。


陸上ユニット

陸上ユニットは、攻撃力、防御力、錬度があります。

ちなみに、これまた陸上兵器は1990年を想定していて、例えばフランス軍だとルクレールの配備がまだで、AMX30を主力戦車と想定しているのでユニット額面値が総じて低いです。


原則1個師団で3個旅団とカウントします。例外はフランス軍で、師団にかかわらず1個旅団とカウントします。その分フランス軍はせいぜい4-4-6機甲師団など1ユニットあたりの額面値小さいです。

最強は米軍の機械化/機甲師団です。それぞれ14-16-7。15-15-7と破格の強さを誇ります。州兵師団で8-12-6、12-12-6という師団も登場しますが。米師団は最強のみならず、空中機動ゾックを有します。これは戦闘ヘリ部隊を含むという理由からです。なので、A10の支援を受けて、たった1個の米軍師団で9個師団のソ連軍師団を相手にすることもできえます。

対するソ連軍の1級師団は12-9-6の戦車師団、10-9-6の機械化狙撃兵師団などがあります。ターン後半に5-6-4と低い戦力/練度の師団も登場します。同盟東欧諸国は、最強で9-8-5戦車師団などです。全体的に練度が低いのですが大事な戦友です。


陸上ユニットの練度

陸上ユニットは戦闘、打撃/阻止による混乱=損害で、練度がゼロになると壊滅します。練度のみならず部隊の充足数も抽象的に表しているのでしょう。練度差によって、戦闘時コラムシフトします。例えば1差だと1シフト。2差だと2シフトなど。

最強は英コマンド旅団の9など。空挺部隊、空中機動部隊などは西独8など練度が高い~エリート部隊が場合が多いです。NATO各国は、米軍、西独師団は原則7。英軍は原則8。フランス、イタリア、ノルゥエー、トルコは6。ベルギー、オランダ、デンマーク、ギリシャ、スペインは5。

対するWPはソ連軍1級師団が6。その他5。東独師団は7。ポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリアは5。と、全体的にNATO軍に劣ります。しかも、ルール上1混乱を被ったらずっと1混乱被ったままとなりますのでWP軍は不利です。1ターンあたりWPは最大2回まで、NATOは最大3回まで混乱が回復できます。この点もNATO軍有利と言えるでしょう。


陸上ユニットの移動

敵ユニットのゾック進入/離脱には追加移動力が必要です。例えば、ソ連軍戦車師団が西ドイツ装甲師団の進入/離脱する場合プラス1移動力が必要。これが米ヘリコプター旅団ゾックの場合は空中機動ゾックによりプラス2など。ユニット種類によって進入/離脱による追加移動力が違います。また、ルールを解釈するに、移動についてはゾック侵入=移動終了でない感じです。前述のヘリコプターなどの空中機動ユニットは空中機動ゾックを有しない陸上部隊ゾックを無視して移動継続できます。さらには、空中機動ユニットは、全海ヘクスを移動できます。一般の陸上ユニットも追加移動力を消費すれば移動継続可能と考えます。なので、1ヘクスおきに陸上ユニットを並べても戦線突破~包囲される危険があります。よってカンタンに包囲できる場合があります。もっとも、包囲されても極端に不利な修正は受けないのですが。例えば連絡線途絶により1練度低下など。しかし、1練度低下に違いないので、練度に劣るWPは機会あればNATO部隊の連絡線を絶って攻撃したいとこです。


その他、空挺降下、強襲上陸、海上輸送についてルール化されてます。


地上戦闘について

メイアタック。戦力比での判定です。

やっかいなのは大都市に籠るNATO軍。なぜなら、大都市は、2シフトコラム&退却を無視できます。これにA10などの防御支援4シフトが加わったら…正直やってられませんプンプン大都市に籠る高練度のNATO軍ユニットを排除するには時間とかなりの戦力を有します。


戦闘後前進について

ルール上、最低1ユニットは防御ユニットがいたヘクスに前進です。2ヘクス目の戦闘後前進は敵ソックを無視して移動できます。これにより、敵を包囲したり戦線に裂け目を生じさせることができます。なので、NATO軍は前線に弱小ユニット(例えば、西独1-2-4の地域予備など)を配備しておくと、WP軍の戦闘後前進を目論んだ攻撃に狙われてヤバイことになり得ます。そんなんなら最初から部隊がいない方がマシという状況もあります。


陸上ユニットの補給ガソリンスタント食パンコーヒー

補給線の設定ウンヌンはありません。長距離侵攻の兵站打撃で補給切れになり得ます。

補給切れの効果は移動力、攻撃力半減。防御力はそのままという解釈でいいのでしょう。反応兵器ルールを使用しない限りあまり効果ないのかもしれません。

他方、補給とは別に自軍連絡現と連絡線が設定できないと「孤立」扱いで1錬度低下&再編成できないというペナルティがあります。


限界損失ショック!

中小国はユニット除去(航空・陸上ユニット)により損害がかさむと、動揺したり士気喪失状態となります。航空機が長距離進行を行えなくなったり、自国内にとどまる、錬度1低下するなどの不利益を被ります。

例えば、NATOオランダ、デンマークは3。フランス13など。WPはポーランド、チェコ12など。

特に、NATOは、デンマーク、ベルギー、オランダ、スペインなど損害がかさんで航空機が事実上使えなくなるおそれがあるので注意が必要です。これら中小国は陸上ユニットより航空機の方が全体の戦局に貢献するからです。

さらに、フランス軍が13と案外モロイので部隊運用に注意が必要です。多数の航空機を有するフランス軍の事実上の脱落は非常に痛いです。


反応兵器について

ヤバイ&たいへんおっかないルールです。

1984年当時の米テレビ版映画「ザ・ディ・アフター」を思い出します。WPの西独侵攻により反応兵器戦争が起こり米カンザスシティもICBMにより破壊される…といった内容です。小学生当時、なぜか当時中学生の姉と見に行った記憶があります。姉はこういった関係には全く興味・関心ないのですが。なんで姉と見に行ったんだろ?今でもナゾです。


さておき、0~5段階までのコンフリクト・レベルがあります。このレベルに応じて使用数、使用種類が変化します。最高レベルになると戦略核相殺で大都市が北斗の拳します。

野砲砲弾、航空機用爆弾、戦域ミサイルを抽象的にルール化してます。野砲砲弾は戦闘時に敵に打撃を与えます。例えば、コンフリクト1だと1混乱など。

航空機は反応兵器を運搬して投下。サイの目分打撃を与えられます。

戦域ミサイル(例、ランス、SS21などを表す)は迎撃、対空射撃を受けることなく打撃を与えられます。

全体的に、航空機爆弾はNATO軍有利。戦域ミサイルはWP有利です。しかし、このルールを採用すると打撃の応酬で収拾つかなくなるんでしょうね。

野砲砲弾について、ゾンビ映画?「バタリアン」、これをパクった!?「バイオハザード3」を思い出します。バタリアンの最後のシーンでこれらしきものが出てきます。

でも、反応兵器は、倫理上などでいかがなものか?なので、未だソロプレイですら使用したことがありません。その当時、ニュース報道でSS21の削減をめぐる報道が盛んだった感があります。全廃されるといいですね。


と、まあ、WW3をシュミレートしたゲームですが、ベルリンの壁崩壊による東西冷戦が終了してよかったです。1999年当時の大ハズレ&大嘘だったノストラダムスの大予言と相まって本当にWW3が起こるかもしれない!?と当時の風潮を思い出します。幸いなことに架空戦に成り下がって一安心の今日この頃です。

今日はおしまい。