日本経済は中国に依存などしていない
【対中輸出額はGDPの3%に過ぎない】
「日本は輸出依存国」がただの印象論に過ぎない大間違いであることを理解した上で、次は「中国への依存」も根拠のないデタラメであることを説明していきます。
過去10年間の日中貿易の推移を見ると日本の輸出総額に占める中国のシェアは年々増加の一途を辿り、2010年で19.4%となっています。
ちなみに2009年に大幅な減少となっていますが、これはリーマン・ショックの影響によって世界的に貿易総額が減少したためで、日中韓のみで起きた現象ではありません。
「輸出の約2割を中国が占めている」そこだけ見ればなるほど、中国への依存の割合は無視できないと主張したくなるのも理解できないわけではありません。
しかし、すでに説明したように日本の輸出依存度そのものが低く、もともと少ない輸出の中の2割を占めているに過ぎません。「日本経済への影響」と言うのであれば、日本のGDPに対してどの程度の割合を占めているかを見る必要があります。
2009年における日本のGDPは約5兆ドルでした。それに対し、中国・香港向けの輸出額は約1415億ドルとなっています。これを対GDP比で見ると2.79%となります。
GDPのわずか約3%にしか過ぎないものに「依存している」という表現は成り立つでしょうか。
【貿易関係が途絶しても日本は困らない】
さらに、輸入額の分を差し引いた対中国の貿易黒字は、GDP比で0.35%に過ぎません。
つまり中国との貿易が途絶することがあった場合、日本経済の規模を表すGDPが0.35%減少する、ということになります。
たったのそれだけです。確かにゼロではありませんが、この程度の数値で「日本経済は中国なしでやっていけない」などと言うのは、いくらなんでも大げさではないでしょうか。
たとえば皆さんの会社で、利益の0.35%を占めている取引先に契約を打ち切られたとき、「大変だ。あそこに切られたらウチはやっていけない」などということになるでしょうか。「だから何?」くらいの反応で終わりでしょう。
その程度のことで大騒ぎしているのがいかに滑稽であるか、数値を見ればおわかりいただけると思います。
万が一、貿易関係が完全に途絶してもこのレベルでしかないのですから、尖閣諸島をめぐる日中間の関係悪化で輸出入が多少減ったところで、日本経済にとって痛くも痒くもありません。誤差の範囲でしかないのです。
もちろん中国へ積極的に進出している輸出企業は痛手でしょうが、逆に言えばそれだけの話です。買い手は他にいくらでもいるのですから。各企業が売り込む先を変えれば済むことであり、それを持って日本経済の「危機」を語るのは、どう考えてもおかしな話でしょう。