サムスン電子しか誇るものがない韓国人
戦後の日本は「貿易立国」といわれてきた。だが、実際には日本の対外依存率はそれほど高くない年によって多少の変動はあるが、せいぜい15%前後で、外需よりも内需依存の経済構造である。
アジアNIESの韓国・台湾・香港・シンガポールは日本とは違って、典型的な外需依存国である。もっとも激変したのは中国である。
そもそも「竹のカーテン」といわれる中華人民共和国時代の中国は「自力更生」をスローガンに掲げ、対外依存率は10年で10倍となった。近年、中西部開発に乗り出して内需に力を入れているものの、外需依存だけは続いている。人類史以来最大の「通商国家」となっている。
韓国は李氏朝鮮時代まで、ずっと韓国を続けていた。本格的な通商国家になったのは、アジアNIESになってからである。
通商国家最大の弱味は、対外依存にある。国内の景気がいくらよくても、通称相手国の事情で商品を買うお金がなくなると、道連れになり、没落していく、中世における地中海北岸のベネチアの没落もそうだった。
かつて1000年間も栄えていたベネチアは、周辺の大帝国と抗争しながらも、経済だけはわが世の春を謳歌していた。だが、ドイツの農民戦争(1524~25年)のおよって貿易相手が荒廃すると、ベネチアも没落した。それが通商国家の、いわゆる持ちつ持たれつの関係で、仏教語でいえば「一蓮托生」である。
戦後、NIESだけでなく中国も、日本から資本材を輸入し、加工生産して輸出するという生産構造をとっている。その構造は、ここ半世紀、それほど変化していない。
韓国の経済史及び財政史をみると、李朝末期の社会構造は7万以上の村によって構成された村社会であり、貨幣経済も商品経済も未発達で、原始経済社会そのものだった。すでに財政破綻、国家破産の王朝だったのだ。地上資源も地下資源もほとんど枯渇していた。
救われたのは、日韓合邦があったからである。毎年、日本から総督府総予算の15~20%の財政支援を受けて、社会の土台がつくられていった。戦後の「漢江の奇跡」も、日韓基本条約による日本からの支援があって可能になったのだ。債務国としての財政、資本事情は、この1世紀にわたってほとんど変わっていない。
1997年のアジア通貨危機ではIMF(国際通貨基金)の管理下に入った。そこで財閥の整理が行われ、「サムスン」や「現代」などが寡占企業として生き残り、巨大化した。こうした寡占と巨大化は、官民癒着なしにはできない。なかば国策として、サムスンなどの企業の巨大化を進めたのだ。現在の韓国政府によるウォン安政策などは、サムスンをはじめとするグロオーバル化した輸出産業を助けるためのものにほかならない。
こうした寡占企業の成長は、社員の安い賃金によって支えられている。しかも、韓国では社員の賃金が下がり続けているため、社長と社員の年収格差は5000倍以上にもなっている。そして、これらの大企業の資本金は、外資が50%以上を占めている。金融機関にいたっては、100%近い銀行もある。こうなると「韓国企業」とすら呼べないだろう。
外資依存は、かつての中国もそうだった。輸出産業の60%が外資企業だった。中国の企業と同様に、韓国企業も独自の技術開発というより、たいていパクリや不正な取引が一般的である。
たとえば、2010年、アメリカに支払った「制裁金が多い企業ベスト10」のなかには、サムスン、LG、大韓航空、ハイニックスなど4社が名をつらねている。
そのほかにも、サムスンは2011年4月に、アップルからスマートフォンについての特許侵害で訴えられた。サムスンは逆提訴して、混戦に持ち込んで和解にこぎつけようとしたが、パクリ企業としてのイメージを洗い流そうとしてもむずかしい。
中華世界の数字は「参考数字」と見なされることが多い。ウソが多いからだ。いくら政府が「虚偽の数字は厳罰」と警告しても、ばれないように巧妙化させている。もちろん、小中華も例外ではない。粉飾決算、脱税、不正をしないで企業が生きていくのは、じつにむずかしい。
アジア通貨危機の煽りで1999年に倒産した「大字」の金宇中元会長は、2006年に粉飾決算により約2兆5700億円を追徴された。
中国の大富豪ランキングに登場する人物名は、年々様変わりする。同じ富豪が長クランクインできない理由、たいてい不正で摘発されるからだ。韓国の財閥も不正のオンパレードであることは、すでに常識となっている。サムスンでさえ粉飾決算が指摘され、さらにその悪質な手口については、元社員のよって暴露されている。(『サムスンの真実』バジリコ)。
サムスンは韓国の株式市場時価総額4分の1を占める巨大企業グループである。韓国の企業だけでなく、政治、文化のグローバル化を象徴する申し子でもある。だが、それだけに市場環境が変われば、存在価値を失ってしまう危険性が高い。
韓国には、日本のように100年以上続いている老舗はない。日本の産業は、たいてい長い歴史の波風を経て磨き上げられてきた。韓国では、「成金」は「天才」として称賛されたり、敬慕されたりするが、日本ではむしろ嫌われる。「政商」についても同様である。韓国の企業は「値段」で勝負するが、日本は「質」で信頼を得る。
国によってそれぞれ文化や風土が異なる。日本経済は市場原理が機能しているが、大中華も小中華も、汚職や癒着などの長経済的な方法で財を成すケースがほとんどだ。日本には曽いう土壌は存在していない。