図録のお楽しみ
企画展の図録。
基本的には、購入しています。
なぜなら、展示会場にはない解説が楽しみだから。
・・・展示会場には、図録の見本が置かれていることが多く、そこで座り読みしてもよいのだが、会場に行ったというお土産購入の目的もあります。
国宝とは何か
現在は「文化財保護法」に規定されていますが、そもそもこの法律はなぜできたのかが、『国宝』の図録に書かれていた。
120年前の明治30年に成立した「古社寺保存法」が始まり。
それまで、日本の文化財を保護する法律がなかった。
明治維新時の最悪の政策、神仏分離令から始まった廃仏毀釈。
日本に来ていた外国人がその悪政に気が付き、その保護に動いた。
それが今、ボストン博物館所蔵、大英博物館所蔵、個人所蔵となっている。
そうか
なぜ、今年、ボストン博物館展とか大英博物館展とかが開催された理由も分かった。
日本における文化保護法制制定120年目の節目だからだ。
また、勝手な推測であるが、2013年9月7日に2020年のオリンピック開催が東京に決まった。これも、今年の各企画展に大きく影響しただろう。企画展の企画は数年前に決まり、そこから所有者への交渉が始まる。
更に言えば、寺社の修復工事もこのオリンピック開催が決まった直後から急ピッチで行われている。
・・・文科省からだけではなく、観光庁(国土交通省管轄)からも補助金・助成金が出ていると思われる。
もっと言えば、世界的な日本観光ブームは、SNSの普及が大きいと思う。それまで、日本は産業国だと思われていたんだろう。実は違い、独特な文化がある国だと見直されるきっかけを作ったのがSNS。
一方で、日本人も文化の国であると日本を見直していると思われる。
話を戻して、図録の話へ。
図録に掲載されている写真はどれも素晴らしい。
現在、国宝に指定されている美術工芸品は、885件。
その1/4にあたる作品が、今回の『国宝』展に展示されていた。
眼福のひとときが味わえる場所であったはずが、雑踏の場所であったのは残念。
だから、図録は必要です。