なぜ人は嫌な過去を繰り返し考えてしまうのか?
― 脳科学 × ユング心理学 ―
1. 人が「嫌なことだけ強く覚えてしまう」脳の仕組み
私たちの脳は、快よりも“不快”を優先して記憶するようになっています。
これは太古から続く「生き残るための仕組み」。
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危険を覚えている → 自分を守れる
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嫌だった記憶を何度も思い出す → 同じ危険を避けられる
つまり、嫌な出来事の反芻(繰り返し思い出す)は、脳の防衛反応なのです。
2. RAS(ラス)機能が“危険の証拠”を探し続ける
過去の痛みが残っているほど、脳のアンテナである RAS が動き、
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表情
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声のトーン
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ちょっとした言い方
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LINEの返信速度
すべてを「否定されるかどうか」の証拠探しに使うようになります。
その結果、
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旦那の些細な言葉が攻撃に聞こえる
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表情が冷たく感じる
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悪いところばかり目に入る
…という状態に。
これは、あなたが悪いのではなく 脳が必死に守ろうとしているだけ です。
3. ユング心理学:親からの否定と「意味づけ」の仕組み
子どもにとって親は“世界そのもの”。
だから親に否定されると、
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私が悪い
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私には価値がない
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私は愛されない
と 自分のせいにするように意味づけ します。
なぜなら、
✔「親を否定する」ことは生存リスクだから
→ 自分を責めたほうが安全だと、心が判断する。
この“自分を責めるクセ”が、大人になっても残り続けます。
4. 否定された部分は“シャドウ(影)”になる
親に否定された部分は…
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胸にしまう
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見ないふりをする
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存在しないことにする
こうしてシャドウ(影)になり、後にパートナーを通して現れます。
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自分の弱さ → 相手の弱さにイライラ
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自分の怒り → 相手が怒っているように見える
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自分の価値の欠如 → 相手に否定されている気がする
つまり、
自分が否定した自分自身を、相手に見ているだけ なのです。
5. だから人は、嫌な過去を繰り返し思い出す
【脳の理由】
□ 生存本能で「不快」を優先的に記憶する
□ RASが“危険の証拠”を探し続ける
□ 反芻回路が学習されクセになる
【心の理由(ユング)】
□ 親の否定が「私は価値がない」を作る
□ 否定された部分がシャドウ化
□ パートナーの言動がシャドウを刺激
□ 過去の意味づけのまま反応してしまう
6. 大切なのは、問題が“相手ではない”ということ
嫌な記憶に苦しむのは、
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あなたの脳があなたを守っているから
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子ども時代の意味づけが残っているだけ
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相手が悪いのではなく、過去の傷が反応しているだけ
だからこそ、
自分も相手も責める必要はないのです。
ここが理解できると、
初めて“癒し・理解・対話”が始まります。
7. 講座で目指すゴール
この講座では、
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過去の意味づけを書き換える
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RASを「良いところ探し」へ転換する
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シャドウを統合して“反応しない心”を育てる
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夫婦関係を良い方向へ導く地図をつくる
ここまで徹底的に行います。
脳も心も仕組みで動いている。
仕組みを理解すれば、誰でも変われます。
いかがでしょうか?
人は心の仕組みが分かった時点でメタ認知が完成します。
なので、この仕組みを知った=嫌な記憶の反芻思考から
距離を取れる!ことが、確定なのです😊