その日の朝、今年入社の新人ちゃんから連絡があった。
「今朝母が火傷をしまして、
現在病院に付き添っているので午前中半休取らせて下さい。」
とのことだった。
俺は了承し、新人ちゃんの仕事を代わりにやった。
そして午後、出勤して来た新人ちゃんに事情を聞いた。
新人ちゃんの家族は全員が働いており、
新人ちゃんのお母さんは、朝、夕飯を作って出かけるのが日課だそう。
その日お母さんは、鍋を沸騰させ、揚げ物をする為に油を熱していたそう。
先に鍋が煮立って、お母さんはその鍋を移動させようとしたところ、
突然鍋の取っ手が壊れ、隣にあった油を巻き込み、
落下し、熱湯がお母さん左足にまともにかかり、
とどめに熱せられた鍋がその足の甲に直撃したそうだ。
これを聞くだけでも恐ろしい。
お母さんは重度の火傷の為、そのまま入院、
治療をしているそうだ。
新人ちゃんは落ち着いたのか、
「母がキッチンから出て来た時のスピードが尋常じゃなかったww」
等とその日のうちに、笑って話せる様になっていた。
翌日、新人ちゃんにお母さんんも様子を聞くと、
人工皮膚の移植手術をして、今は安静にしているとのこと。
よかった。よかった。
そう思った翌日の朝。
新人ちゃんから、
「母の容態が急変したため、今から病院に行きます。」
との連絡が入った。
えええええええええええええ?
マジ?
火傷でそんなことになるの?
俺は相当驚いた。
「了解。」と返信すると、しばらくして、
新人ちゃんから電話が掛かって来た。
新人ちゃんは電話口で泣いている。
「すいません。今日一日お休みさせて下さい。」
そう言いながら、嗚咽を漏らしている。
俺は、今、他に家族の人はいないのかを尋ねるが、
まだ新人ちゃん一人とのこと。
動揺してか、泣き続けている新人ちゃんに、
「仕事のことは気にしなくていいから、こんな時は、新人ちゃんがしっかりしないと。
まずは落ち着いて、とにかくお母さんを励ましてあげて。」
と言って、何とか落ち着かせてから電話を切った。
ヤバス。これはヤバい状況でしょう。
俺は他人事ながら、
その日ソワソワして仕事が手につかなかった。
続く。