新西国三十三ヶ所観音霊場 伽耶院 | まっちゃんの人生おもしろおかしく生きていきたい

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今回、紹介する新西国三十三ヶ所観音霊場は、インドの天竺から紫雲に乗って渡来した伝説の人物、「法道仙人」が開いたと伝えられている「伽耶院(がやいん)」です。


新西国三十三ヶ所観音霊場、第26番札所「大谷山 大谿寺(だいけいじ)伽耶院」。創建は645年。開基は「法道仙人」。宗派は「本山修験宗」。本尊は「毘沙門天像」。新西国観音霊場の本尊は「十一面千手観世音菩薩像」。


詠歌 「播磨路や 伽耶のみ寺の 花の庭 てらすは法(のり)の 光なりけり」


「伽耶院」は寺伝によると645年、インドの天竺から紫雲に乗って渡来したと言われる「法道仙人」が、仏教布教のためこの地を訪れた時に、黄金に輝く滝壷の中から「毘沙門天像」を感得し、この「毘沙門天像」を時の天皇の「孝徳天皇」へ奏上したところ、この場所に「毘沙門天像」を本尊として祀る堂宇を建立せよと勅命が下り、「法道仙人」によって伽藍が建立されたことが始まりとされています。


創建当初は「大谷山 大谿寺東一坊」と称していましたが、1681年に「後西上皇」の勅命により、「釈迦」が悟りを開いた場所である「仏陀伽耶(ぶっだがや)」に因んで寺号を「伽耶院」と改めたそうです。


平安中期には最盛期を迎え、数十の堂宇、百三十余りの坊塔を持ち、西国三十三ヶ所観音霊場の中興の祖「花山法皇」も行幸されたと伝えられています。


しかし、1580年に「織田信長」と「別所長治」との「三木合戦」における、織田方の「羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)」の三木城攻めで、別所方が「伽耶院」に陣を置いたことで兵火に巻き込まれ多大な被害を受け、1609年には失火によって全ての堂宇が焼失してしまい、現在の「伽耶院」の寺観はそれ以降に再建されたものとなっています。


「伽耶院」の交通アクセスは電車だと、神戸電鉄「緑が丘駅」からグリーンピア三木行きのバスに乗って伽耶院口で下車し、バス停から徒歩で約10分程度で「仁王門」に到着します。


車だと「仁王門」を過ぎて「庫裏」へ直接向かう「山門」前に、お寺の無料駐車場があります。


「仁王門」ですが「羽柴秀吉」の三木城攻めの兵火によって焼失してしまい、現在の「仁王門」は大正時代に再建されたものです。


「仁王像」を安置する「花頭窓(かとうまど)」のみ、前「仁王門」の遺物だそうです。



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仁王門。



「仁王門」に安置されている「仁王像」は「行基」が刻んだものと伝えられ、「仁王像」も三木城攻めの兵火で大きな被害を受けて、現在は胴のみという痛々しい姿で安置されています。



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阿形。こういう形で仁王像を見たのは初めてです・・・。



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吽形。風化もかなり激しいです。



「仁王門」から少し進むと、「庫裏」の「山門」があり、さらに奥へ進むと「二天堂」という中門があります。



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城のような石垣があり、庫裏へ向かう山門がある。



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庫裏の山門風景。



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寺名や新西国三十三ヶ所観音霊場を知らせる石碑が建ってる。



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庫裏の山門。こちらからでも本堂へ行けます。



「庫裏」の「山門」前は駐車場となっていますが、この駐車場の前方に柱状節理という露岩の断層があります。



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結構、凄かったんで写真に撮りました。氷柱がいっぱいです。



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庫裏。納経所です。



「伽耶院」の中門に該当する「二天堂」は、1651年に建立されたものです。



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二天堂風景。入山はここからの方が良いですね。



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こちらには新しい寺名を知らせる石碑が建っている。



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二天堂。



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二天堂扁額。



「二天堂」には「持国天像」、「多聞天像」が安置されています。



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持国天像。



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多聞天像。



今回は「庫裏」の「山門」から入山したので、「庫裏」から「本堂」へ行くルートを紹介します。


「庫裏」から右手に進んでいくと石垣がある高台の広い場所に到着し、この高台には「開山堂」、「水子地蔵像」、「行者堂」、「仲よしポックリさん」などがあります。



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庫裏から進んでいくと、まず小さな地蔵尊がお出迎えしてくれます。


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石垣がある高台へは石段か右手の坂道で上がる。



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坂道は緩やかで、右手にたくさんの石仏が安置されています。



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石仏の顔はそれぞれ違い、ユニークなものとなっています。



「開山堂」は1656年、「京極右近源高供」の寄進により建立されたもので、「伽耶院」を開いた「法道仙人像」を祀っています。



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開山堂。



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開山堂の右手には観音菩薩石像と経塚がある。



「水子地蔵像」が安置されている場所は、幼くして亡くなってしまった赤ちゃんを弔っていて、たくさんのぬいぐるみやおもちゃが供えられていました。



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水子地蔵尊がたくさん安置されている。こういう風景を見ると切なくなる。合掌。



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説得力のある看板が立ってました。



「行者堂」は1631年、土佐城主「源忠義」の寄進により建立されたもので、修験道の開祖「役小角(えんのおずぬ)像」を祀っています。



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開山堂よりさらに高台にある行者堂。



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行者堂。



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行者堂の側には五重石塔が建っていました。



「行者堂」の真下は「護摩道場」となっていて、毎年10月の体育の日に近畿地方で最大規模の「採燈大護摩」が行われ、近畿の各地から200余名の天台系山伏が参集するそうです。



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護摩道場。



「仲よしポックリさん」ですが、下の世話にはなりたくないと言っていた「やぶなかのおばあちゃん」が、92歳で亡くなる直前まで「伽耶院」の草引きの掃除をされ、また「まえだのおばあちゃん」は、3日間だけ下の世話になって95歳で亡くなられたそうで、これらのおばあちゃんを偲んで2体の石像が建てられたそうです。



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仲よしポックリさん。人に迷惑をかけたくない優しいおばあちゃんですね。



「仲よしポックリさん」の側から、「本堂」へ向かう下りの石段があります。



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下った踊り場の右側の石段は、二天堂から上がってくる石段です。



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踊り場には手水があります。



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入山料は1人につき草引き10本だそうです。



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道歌。掃けば散り 払えばまたも 塵つもる 人の心も 庭の落葉も。



石段を下った踊り場の左手に「黄金水」という池があります。


この池に「ヒカリモ」という藻が生息していて、12月中旬から2月中旬まで太陽の日光が当たると黄金または虹色に輝くそうです。


「法道仙人」が黄金に輝く滝壷で「毘沙門天像」を感得したので、「毘沙門さんの黄金水」と呼んでいるそうです。



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黄金水。一見、普通の池です。



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日光が当たると変化する。黄金というより虹色に輝いてました。



「本堂」は1610年に建立されたもので、重要文化財に指定されています。



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本堂。重要文化財。



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別アングルから。



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本堂手前。



「本堂」には本尊として平安末期作で重要文化財に指定されている「毘沙門天像」が祀られていて、脇侍として「十一面千手観世音菩薩像」、「愛染明王像」が安置されています。



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本堂内は格子戸で内陣と外陣で分けられている。



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新西国観音霊場の本尊は向かって左手の十一面千手観世音菩薩像。



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本堂前には、おにゃんこみくじが売っています。



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持って帰らずに奉納する形でしょうか?



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ぎんなんも売ってました。



「本堂」の右手には「三坂明神社」、「多宝塔」、「臼稲荷社」があります。


「三坂明神社」は1610年に建立されたもので重要文化財に指定されていて、「伽耶院」の鎮守である「三坂大明神」が祀られています。



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三坂明神社。重要文化財。



「多宝塔」は1647年、小倉城主「源忠真」の寄進によって建立されたもので、重要文化財に指定されています。



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多宝塔。重要文化財。



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別アングルから。弥勒菩薩像を安置。



「臼稲荷社」ですが昔、この地域は田んぼの水の出入口に石臼を置いて水を堰き止めていて、ある干ばつの年に自分勝手に水を引いて分け与えずにいた村人を見かねて、白衣の老人の姿となった狐が全ての田んぼに水が行き渡るように、堰き止めていた全ての石臼を取り除いたそうです。


自分勝手な行動に恥じた村人が、この場所に社を建てて石臼を奉納したと伝えられているそうです。



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臼稲荷社。



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石臼の上に祠が建っています。



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前の紅葉の木は石臼を抱いています。不思議です。



最後に「庫裏」の側に、「じゅんのすけ」という飼い犬がいました。


先の飼い犬「ゴヘー」は参拝者が与えるお菓子を食べすぎて糖尿病になり、片目を失明してしまったそうで、「じゅんのすけ」の犬小屋には「お菓子を与えないでください」と看板が付けられていました。



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来た時は熟睡してて、全く動きませんでした。



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帰る時に起きてくれて、自分を見送ってくれました。たぶん・・・。だと思う。



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伽耶院の御朱印。