小学生の頃
学校からの帰り道に
ダンボール箱に入れられた仔猫が
幾度となく捨てられていた
連れて帰れば
母に叱られる事は分かっている
家にはすでに
前に連れ帰った猫もいる
迷って迷って
1度は通り過ぎてみたものの
ミャーミャーと聞こえてくる
仔猫の鳴き声
やっぱり
置いて帰る事は出来ずに引き返した
そんなだから
子供の頃はいつも傍に猫がいた
家の裏手は見渡す限り畑だった
木登りにかくれんぼ
猫と走り回って遊んだ日々は
今でも色あせる事なく
思い出す事が出来る
学校から帰ると
畑に向かって猫たちの名前を呼ぶ
すると2匹3匹…
遠い彼方から
一生懸命に走って猫たちが帰ってくる
ご飯のお世話をしていたのは私だった
だから
姉が呼んでも帰って来ない
私があげないと
食べない子もいた
私は何だかそれが
嬉しかった
あの頃猫たちは
いつでも自由に外に出られた
むしろ
外で過ごす時間の方が長いくらいだった
ご近所の猫ちゃんたちも
みんな自由に出歩いていた
そんな飼い方だったからか
猫とのお別れは
交通事故か行方が分からなくなるか
探しても探しても見つからず
泣いて母を困らせた事を
今でも覚えている
あの頃 猫はみんな
そんな風に暮らしているものと思っていた
そんな子供時代の感覚のまま
大学入学を機に家を出て一人暮らし
結婚してしばらくは社宅住まい
猫のいない暮しが長く続いた
姉の家に来る様になった
黒猫ちゃん
姉から相談された時
最近の飼い猫は
室内飼いが多いの?
と 聞かれた
そして
猫は自由に外へ行けた方が
嬉しいんじゃないの?
昔はみんな外に行ってたわよね
とも 言っていた
姉が猫と関わるのは
45年ぶりくらい
数年前の私がそうだった様に
外で暮らす猫の
危険と過酷さなんて
想像したこともなかった様だった
毎日朝晩ご飯をあげて
音妓( ねこ )ちゃんという名前で呼んで
甥っ子と可愛がっている
でも
このままでいいのだろうか
音妓ちゃんには
お世話を放棄したと思われる
名ばかりの飼い主がいる事がわかっている
姉はこれからどうするつもりなのか
聞いてみた
すると
もしかしたら音妓ちゃん
自分の家に帰るかもしれない
去年も冬は来なかったから
寒くなったら入れてもらえるのかもね
今のところ
保護するつもりはないらしい
私からしたら
寒くなって家に入れるなら
この暑くて辛い時期も入れてあげなさいよ!
なんだけどな
先日帰省した際
それとなく義兄にも聞いてみたけど
一応飼い主がいるからね
トラブルになっても困るしね〜
家に入れてあげたいと思っているのは
甥っ子だけである事がわかった
今の姉は
ある意味無責任な餌やりさんと言われても
仕方のない状態ではないだろうかと
私は思っている
音妓ちゃんに何かあった時
病院に連れて行かなければならない様な
そんな状況になった時
どうするのかな
何が起きても
責任を持って音妓ちゃんを
守ってあげる覚悟はあるのかな
今更
やっぱり面倒は見れないと
そんな事を言う人ではないと思っている
けれど
音妓ちゃんの事が
心配
先日送られて来た写真
お口から
粘液性のヨダレが出ていると
ご飯は
痛そうには食べないけれど
食べるのに時間がかかるらしい
もー
直ぐには行けない私に
どんだけ心配させたら気がすむんだ!
と思いながらも
姉も猫のことはよくわからないから
心配なんだろうな
口内炎かな
口内炎じゃありません様に
去年亡くなった
うちのクロちゃんも
口内炎が辛かった
去年の今頃
ステロイドのお薬飲んでたな…
行って来ました
病院に
相談しました
先生に
そして送りました
ステロイドと抗生剤10日分
出来る事なら飼い主さんと話して
円満に保護する事が出来たなら
それが音妓ちゃんにとって
一番いいのは分かっている
でも
姉には姉の事情がある事も
分かっている
だから
保護してあげて欲しい
その一言が
姉妹なのに
姉妹ゆえに
難しい
音妓ちゃん
悪い病気じゃありません様に
クロちゃん
音妓ちゃんをお守りください


