第二章 記憶
メイプル小説目次
・・・・・・どういう冗談なんだこれは。
広漠な野原で一人、そう思う俺。
そんなことを思う前の俺に戻るために、俺はカップラーメンが作ることの出来ないくらいのほんの少しだ
さかのぼ
け時間を遡った。
自分の居場所、というかは住んでるところだな。
俺は見知らぬ土地に一人ぼけーっと座ってるのだが、そこから自分の住んでるところに戻るためにみんな
ならどうする? 俺だったら、そうだな・・・・・・
やっぱり、まず手始めに探すのがいいんじゃないか。自分だけじゃ分からなかったら、他の奴に聞けばいい。そう
すれば、いつかはきっと辿り着けると思う。そう、いつかきっと・・・・・・。
だがこの状況はなんだ。まだ今の状況だけなら生ぬるいものだろ。
俺の今の状況はそれプラス自分の住む場所すら分からなくなったときた。目的地が分からない。此処が何処だ
かすらも分からない。
万策尽きたってか・・・・・・はは。笑えねーや。
そんな一人思考をしながら、顔を空に向けた。
俺はこれからどうすりゃいいんだ。ずっと此処に居るってわけにもいかないからな。できればそうしていたいが、
がし
食えそうな物もないから餓死する恐れも・・・・・・んん?
しっか
俺はそのまま考えるのを止めて確りと目を見開いた。これ以上ないくらい目を見開いた俺は、驚愕をするにあた
り口をも開いた。
「・・・・・・どうなってやがる」
思わず口に出してしまった。
これは・・・・・・なんていうべきだろうってさっきそう思ったばかりだったな。
まぁいい。今はそんなことどうでもいいんだ。だってよ・・・・・・
「太陽がどこにもない」
・・・・・・そして今に至る。
そんな馬鹿なことがあるかと思ったが、実際にあるのだから仕方ない。いや、此処にあるというよりもないと答え
たほうがいいだろうな。
おか
はっきりいおう。俺の真上にあるはずのものがないんだ。可笑しいだろ?
俺だって最初はそう思った。思ったが、別に雲に隠れてるわけでも、今は夜とかいうオチでもない。しかもそんな
冗談言ったところで笑えない。もし笑える奴が居たら俺はその場でそいつを殴り倒してるけどな。
正気の沙汰とは到底思えな・・・・・・。
俺はそこで思考を一時停止させた。そしてすぐに思考を動き出させた。
そうか・・・・・・正気の沙汰じゃないのは俺か。俺自身なんだな。
うなず はた
やっと理解したといったような感じで、何度か頷きをした。傍から見ると頭のイカれた野郎にしか見えない俺は相
当精神面をやられていたのだろう。
自分の居場所が判らないのと太陽がないのを見ての、ダブルパンチだ。そんなのをくらった俺はノックアウト(気
絶寸前)
わず
既にHPも残り僅かだったに違いない。
自己判断をするにしまくった俺は、次のような述べた。
「これは夢なんだ」
そう、全ての夢。俺が現実と夢の区別がつかなくなった時に思う最終手段の一つでもある。嫌な時や苦しい時に
思うと、全てが無かったようで良い気持ちだ。現実逃避と言ってくれてもいい。その通りだからな。というか此処が
現実かどうかも怪しいところだが。まぁそんなことはどうでもいい。とにかく今は寝てこの悪夢から覚めることにし
よう。
そんなわけで俺は目を閉じた。
・・・・・ダッダッダッダッ。
ん?
ダッダッダッダッ。
何だこの音は。
ダッダッダッダッダッダッダッダッ。
何かがこっちに向かって来ているのか・・・・・・? それにしたって音が近く。
バッ。俺はすぐに飛び起きた、が遅かった。
体に衝撃が走り俺は後ろに吹っ飛ばされた。