こんにちは。
もう少しでこの話も終わりです。
ではどうぞ!!
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この世界には、特別な能力を持っている者と普通の人間が存在する。
今はちょうど明け方。リマネールは一枚の古い紙を手に持って、スクリートと「村をまとめる村」へと来ていた。リマネール達が住んでいる山村から少し遠い風村だ。とりあえず、風村の長へご挨拶をと思い、長のところへと向かっている。
「もぉ~。なんなのよぉ~。この紙ぃ~」
リマネールが何気なく言うと、スクリートがその必要性を話す。
「『これが鍵になるものだ』って、村長が言ってただろ?!って、何回言わなきゃならねーんだよ!」
「何回もぉ~」
「これで、一万三千七十四回目だぞ!?」
「あ!着いたよぉ~、リート」
スクリートはため息を漏らしながらドアを開けて、目を見開いた。思わず出た第一声は「広すぎ・・・」だった。さらに、もうひとつのドアを開くと村長と少し派手目の女の子が、いすに座っていた。すると、村長が二人に気付いた。
「ふむふむ・・・ご到着のようですね」
「ええ、そのようですわぁ~」
女の子がそうしゃべったとき、スクリートは思ったことだろう。「リマとキャラかぶってるな・・・」と。
「はじめましてぇ~。林村出身のロファーですわぁ~。今回の任務はいとこがこの件に絡んで行方不明になったので参加していますわぁ~」
「ええ・・・仕事をする準備はできているはずなので、早速やってもらうとしましょう。場所は157番の風ノ橋です。いろいろな方がこの件について調べていますので、無理はしないでくださいね」
事件の風ノ橋に着いてから、一番最初に言葉を発したのは、スクリートだった。
「こりゃすっげーな・・・本来、橋を支えるための縄がぷっつり切られてるじゃねぇーか・・・」
「わたくしも初めて見たときは驚きましたわぁ~」
二人がそんな話をしている中、リマネールは周りをきょろきょろ見渡して、あるものを見つけた。短剣と紙だった。そしてそれを懐にしまった。そんな風にしているうちにふと疑問に思ったことがあったので、思わずつぶやいた。
「ここで戦闘はあったのかなぁ・・・?」
「何でそう思うんだ?痕跡がひとつもないんだから、闘ってないに決まってるだろ?」
「・・・・・・そうかなぁ・・・」
リマネールはいまいち腑に落ちなかった。だからもうひとつ聞いてみることにした。
「行方不明になった方の性格はぁ・・・?」
「性格ぅ~?・・・そうねぇ~、ロナはしっかり者・・・ジュナンくんはしっかり者ってぇ~!・・・同じだわぁ~!」
「リート?しっかり者の二人がいきなり橋を渡るっていうのはどのくらいの確率かなぁ~?」
「確率か・・・。低いだろうな・・・。まあ、とりあえず下に降りてみるか」
・・・・・・ということで、ロファーの風と葉の力を使って崖の下に下りた。地面は一面砂利だった。
「それで?今度はどうするのか聞かせてくれるとうれしいわぁ~?」
ロファーは少し疲れたような声で言った。
「ロファーさんならどうする?もしも、ここに落とされちまったら」
スクリートはロファーに問いかけた。しかし、ロファーが答える前にリマネールが言った。
「・・・・・・水・・・かなぁ~・・・」
「いつになく早ぇーな・・・」
「だって、寒いんだもぉ~ん」
要するに・・・早く仕事を終わらせて、暖かいところでぬくぬくしたいという意思の現れである。
「そうねぇ~水は・・・どっちに言っても変わらないわねぇ~。でもぉ~平らな道なのは左だと思うわぁ~」
「じゃあ、左に行くか!」
やっと次の行動が決まり、中間ぐらいまで来たとき、わずかに血痕が付いていた。
「手がかりと見ていいよねぇ~?」
リマネールが言った。三人はそこでは立ち止まらず、先へと急いだ。そんなとき、すぐ前に人影が見えた。すると向こうもこちらに気付き、手を振るようなしぐさをした。近づいていくと、はっきりと見えるようになり、ロファーが声を上げた。
「メフィーじゃないのぉ~。わたくしたちと同じ道をたどってたのねぇ~」
そして、彼女は近づいていき、二人で何かを話し合っていた。しばらくすると、話し合いが終わったらしく、スクリートとリマネールの元へ帰ってきて、話し出した。
「わたくしは一度、村に戻って今までのいきさつの連絡をしてきますので、ここからはメフィアが同行いたしますわぁ~。では、よろしくお願いいたしますわぁ~」
そういうと、ロファーは足早に去っていった。そんなこんなでメフィアは自己紹介を始めた。
「えっと・・・そのう・・・メフィアです・・・。あのう・・・よっ・・・よろしくお願いします」
リマネールたちも簡単に自己紹介をした。
「リマネールよぉ~。よろしくぅ~」
「スクリートだ。そんなに堅苦しくなくっていいぞ」
一通り終わったところで、三人はまた捜索を開始した。
・・・・・・・・・そのあとは全く痕跡がなく、川に到着した。川の流れはやや速かった。川の周りは土がむき出しだったが、足跡ができないくらい硬かった。
「では・・・その・・・下流のほうに歩いて・・・いきましょうか・・・」
メフィアがそう言ったので、下流のほうへ歩いていくと、一箇所地面がやわらかくなっているところがあり、そこにくっきりと足跡が残っていた。それを見たスクリートは「運が良いな・・・」とつぶやいた。すると、メフィアが
「これ・・・は・・・マサロナさんと・・・ジュナンさんの足跡じゃ・・・ない・・・です・・・・・・」
と言った。二人は虚を付かれたように目を見開いた。そしてそのままメフィアは言葉を続けた。
「・・・おそらく・・・誰かがお二人を・・・運んでいるのだと・・・・・・思います・・・」
「んー、じゃあ、こいつの後をつけるか」
「そうねぇ~、今のところそれしか選択肢がないみたいだしぃ~、そうしましょ~」
そんな会話をしてから三人は再出発した。今度はところどころ足跡が残っていた。とれをたどっていくと、密林に入っていき小さな小屋があるのを見つけた。
「あやしいな・・・お、ちょっと待てよ・・・誰か出てくるぞ・・・」
スクリートはひそひそ声でそう話した。小屋から出て来たのは、少し背が低めで太っている二十代くらいの男だった。男は林の奥深くまで入っていった。
「今がチャンスだぜ。一気に乗り込んじまおう」
スクリートの声は上ずっていた。そこにリマネールの制止が入った。
「まだ小屋の中に敵がいるかもしれないわよぉ~」
しかし、スクリートはそれを無視して小屋のほうへとかけていった。メフィアは小さくため息をつきながら、スクリートについていった。リマネールはそこから動こうとしなかった。
周りに気を付けながら、スクリートは小屋に近寄った。窓からはガラスが曇っていて良く見えなかったので、思い切ってドアノブをまわした。ドアは『ギギギィ』ときしんだ音を立てながらも何とか開いた。小屋の中は狭かったが、暖炉に火が燃えていて、その近くに人が倒れていた。そのときちょうど、メフィアが小屋の中に入ってきて喜びと驚きが混ざったような声を上げた。
「マサロナさん!ジュナンさん!」
「まちがいないか?」
スクリートがそう聞くとメフィアはうなづいた。
「さてと・・・早く運び出そうぜ」
スクリートがジュナンを運び出そうと彼を持ち上げたとき、後ろから男の声がした。
「やれやれ・・・懲りないようだな、ガキども」
男は短剣を持ち、二人を見据えていた。
「まったく・・・やっといいやつらを捕まえたのによ、ここで取り返されちゃあな・・・俺様の名に傷が付く。まあいい、今からお前らをとっちめれば俺様の地位は格段に跳ね上がるってもんだ。・・・生きるか死ぬかの真剣勝負だ・・・俺様はお前らを殺したりはしないがな、ガハハハハハハハハ・・・・・・よし・・・こいよ」
明らかに挑発していることは見え見えだった。スクリートは構えを取ったが、メフィアは何もせずにただ立っていた。そして目を閉じた。そのとき、男の後ろから影が出てきた。影は、後ろから、手に持った短剣を男の首筋に当てた。
「・・・・・・動かないほうがいいよ・・・」
先ほどとは打って変わって低く誰もが震え上がるような声で影・・・・・・否、リマネールが言った。男は冷や汗を流しながら、恐る恐るしゃべった。
「なに・・・を・・・。いつから・・・そこに・・・。あ・・・ありえな・・・」
「私にこうされた人はみんなそう言ったよ。・・・それと、ひとつ訂正させてもらうよ。私もむやみに人を殺したりしない。まあ・・・痕跡を残さないために人を砂にする人よりはいいでしょ?」
「!・・・気付いていたのか・・・」
リマネールは平然と続ける。
「短剣と紙は砂にできなかったらしいから。紙に記してくれた人に感謝しなくちゃね。さてと、村まで一緒に来てもらうよ」
すると、メフィアが目を開けて言った。
「えっと・・・私のいとこが・・・この近くまで来ていたので・・・来てくれるように・・・連絡しました。・・・私が村まで・・・連れて行きます」
「うん」
そう言ってリマネールは男を渡した。「では」と言ってメフィアが去った後一息ついてから二人は小屋の外へ出た。するとそこには、五人の人間が並んで立っていた。日は正午をまわっていた。
(其ノ弐へ続く)
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またまた長くてすみません。
だんだんと長くなっていきます・・・。
ですが、お付き合いくださいませ。