アルヴァ・アアルトは言うまでもなく、
近代建築の巨匠の一人と考えられている人物です。
どんなに良い建築物であっても、
それを実際に目で見なければ本当の良さはわかりません。
その空間に流れている空気感や質感が全てだからです。
アルヴァ・アアルトのアトリエはそれが顕著です。
アアルトのアトリエは、ヘルシンキ市内の高級住宅街の中にあります。
真っ白な外壁が特徴で彼の作品だとすぐにわかります。
ちなみにですが、彼はここを事務所として利用していましたが、
事務所というよりもアトリエと表現した方がピッタリ。
このアトリエの活動は続いていて、彼が設計した建物の保守や保存の仕事を、
今でも継続して行なっています。
中庭からアトリエを見てみましょう。
連続した白く美しい外壁ですね。
そして写真では伝わりにくいですが、とても気持ちの良い庭です。
建物の入口付近から入口ドア。
ドアの取っ手は、当然アアルト定番のもの。
これは2段重ねになっていました。
アトリエ2階のアトリエのアプローチを上がってみましょう。
アアルトが使っていたアトリエの内部は天井が高く、
開放的なスペースになっていました。
アアルトがデザインした家具の特徴は、木を曲げる独特の手法で、
特に脚部は「アアルトレッグ」と呼ばれる、世界で唯一の製法で作られています。
このチェアの脚はネジでしっかり固定され、
ジョイントやサポートといった余計な部品は一切使用されていません。
見た目もスッキリとしたデザインで、独自のクオリティを実現しています。
ここがアアルトが好んで使用していた場所。
自然でシームレスな空間、決して大きすぎないスケール感などは、
我々日本人にもなじみやすい空間感覚。
実際、アアルトは日本の空間からかなり影響を受けていたとのことで、
和風の要素が感じられる建物もいくつかあるんだとか。
仕事場内部は、机のスペースも広々と取られ、
作業しやすそうなスペースになっていました。
今回のアルヴァ・アアルトのアトリエ訪問は、
後のフィンランド建築の礎となるものばかりで、