前回、日銀が主導する金融政策について書きましたが、今日は政府が行う財政政策について、感じたところを書いてみたいと思います。
 
財政政策とは政府が歳入歳出を増減して、国の総需要の調整をはかろうとする政策です。歳入は税制措置を使って、減税や増税を行い、歳出は社会保障費や公共投資への増減を行うものです。
 
不景気な時には減税を行ったり、公共投資を増やして、有効需要を増やす景気対策を行います。
 
公共投資については、過去色々な紆余曲折があり、世界の先進国と横並びで見ると、日本の公共投資のあり方には少々特異な点もあるので、公共投資について私見を展開してみたいと思います。
 
公共投資、主に社会資本財への投資ですが、世界の先進諸国との比較は、データーが必ずしもマッチしていない部分もあり、若干明瞭ではないものの、1980年代後半までの日本の支出額を対GDP比でみると、平均的ではなかったかと思います。
ところが1990年代に入ると、対日貿易赤字に苦しむ米国から、内需拡大せよとの圧力がかかり、公共投資を闇雲に増やし、その後のバブル崩壊による不況対策もあり、公共投資への投入額が一気に5割近く増えました。
その後、公共投資の無駄遣いが顕在化したことや、財政赤字の急激な悪化もあり、公共投資が悪の如く言われ、支出額が半減されるような状況になってきました。
ご記憶にあるかと思いますが、民主党政権下では『コンクリートから人へ』と社会インフラへの投資が否定的に扱われました。
日本と言う国は不思議なもので、何事も極端から極端に走ってしまいます。公共投資を急増させた時期は予算ありきで、無理無理予算消化をし、いざカットするとなると、必要性があっても、これも予算に合わせて有無も言わさずカットというのが実態だと思います。
確かに、一時代前の箱モノへの投資は無駄遣いと言わざるを得ないものが多くありましたが、社会資本財、社会インフラへの投資は必要なものであり、内容を吟味して、これからの日本国の経済発展に寄与するものであれば積極的に行うべきと考えます。
特に高度経済成長期に作った社会インフラにガタがくる時期にきており、日本のように自然災害の多い国では防災、減災、老朽化対策への公共投資はマストだと考えます。それとは別に、今後の人口減少社会を見据えた集落と都市との効率的インフラ整備、AI活用の研究費等の公共投資は絶対に必要なものだと考えます。
 
公共投資を増やすことは財政赤字を増やし、国債の発行額を増やし、行く行くは国債の暴落を招くのでは、との不安を持たれるかもしれませんが、幸いにして日本国債は円建てで、日本人が大半を保有するのでギリシャのようなことにはならないと言えます。
ただし、ある評論家の言うように、際限なく国債を発行しても、日本は安泰だとは言いませんが、国債を発行することに極端に臆病になる必要はないと思います。
日本経済発展に必要不可欠なインフラ投資であれば、将来的にはその事業を民間に移管することも出来るはずだと考えます。そうすれば将来問題なく償還できるので、財政規律も守れるものだと思います。
 
今回はアベノミクスの第二の矢、財政政策、特に公共投資について書いてみました。
現在のところ、表面的には安倍政権の財政政策は正しい方向に向かっているように見えますが、常に既得権益との癒着での政策が出てこないかと言う点には十分目を光らせる必要はあると思います。残念ながら、目先の票稼ぎの為に、日本の将来に対する冷静な判断ができない国会議員もいるようですので、要注意です。
 
それでは、次回はアベノミクス第三の矢、成長戦略について私見を展開してみたいと思います。