前回まで、政府の日本経済再生の施策について見てきました。
長期経済低迷に陥ってしまった今となっては、そう簡単には、この経済停滞から脱却する手立てはありません。
現在の大きな問題となっている少子高齢化、人口減少は何十年も前から予見できたものです。それにも拘らず、政治家が自分の票確保のため、将来の問題解決への切り込みを行わず、その場しのぎを重ねてきた結果が、今の日本の経済低迷を招いたと言っても過言ではありません。
ここで、今一度、経済成長する要素を見てみると、経済成長率=労働の増加率+資本ストックの増加率+生産性の改善率、で表せます。
少子高齢化という現実のもとでは、何も手を打たなければ、当然労働人口が減り、総労働量は減少します。しかし、主婦層や高齢者に眠っている労働力をうまく掘り起こすことができれば、労働量の減少にブレーキをかけることも可能です。
資本ストックは、簡単に言えば貯蓄率です。私が働き始めた頃は日本の貯蓄率は世界的に見ても非常に高く20%ほどあり、『貯蓄好き』の日本人と言われていましたが、今は1~2%程度で、消費税8%への引上げのあった前年の2013年度では、マイナスに落ち込みました。従って今では、日本の貯蓄率は先進国の中では最低レベルにあります。
理由は簡単で、高齢化が進み、年金生活者が増え貯蓄の切り崩し世帯が大幅に増えていることと、デフレ状態の継続で所得レベルが低迷していることです。
とは言っても、個人金融資産残高を見れば、日本は世界的には、米国についで残高が高いことと、現状は資金需要の高まりがないので、当面は、海外から借金をするような状況にはなっていないので、一安心ですが、この傾向がいつまでも続くと大問題になるのは間違いありません。
貯蓄率を上げるには、経済が好転して所得が増えることしかありません。支出を抑えるのも一法ですが、これはGDPの多くを占める個人消費を抑えることで経済を伸ばすことに逆行します。
次に経済成長の3つ目の要素である生産性の向上ですが、これが少子高齢化にある日本にとって最も重要なポイントだと考えています。
生産性すなわち労働生産性を上げるのは、経済効率を上げることで、生産技術の向上や産業構造の高度化は労働生産性の向上として表れます。
労働生産性とは労働者一人が一年間に生み出す付加価値の金額です。一般に、ある仕事を行うために必要な知識や技術のレベルが高ければ高いほど、その仕事によって生み出される価値は大きく、労働生産性は高くなるということです。
わかりやすく言えば、誰にでもできるような単純作業では労働生産性は低くなり、知的、技術的レベルの高い仕事では労働生産性が高くなるということです。
少子高齢化により、労働人口が減り、海外からの労働力も簡単に取り込めない日本において、経済成長率を上げる唯一の方法はこの生産性を上げることだと考えます。
残念ながら、現状の日本の労働生産性は先進国の中では相当低く、かなり非効率な労働をしていると考えられます。
ついては、次回は日本の労働生産性を上げるのにネックとなっている問題点をあぶり出し、改善案を提案してみたいと思います。