大学病院で働いていると、ふと考えてしまうことがあります。

患者さんにどんなに優しく丁寧に接しても、それがそのまま自分の評価に結びつくわけではないこと。

最先端の医学に触れるには、どうしても大学や大きな病院に所属し続けなければならないこと。

そして、優しさを見せれば見せるほど、時にはそこに甘えてくる人もいること。

 

もちろん、その場で得られた経験や仲間は、今でも大切な宝物です。

でも、同時に「やりがい」と「現実」の間で揺れる気持ちを、幾度も味わったのも事実です。

 

大学病院は、研究・臨床・教育と、やるべきことが山のようにあります。

けれども人員は限られていて、一人にのしかかる負担はとても大きい。

基本給は決して高くはなく、准教授レベルになっても外勤がないと、

一般的な医師の水準に届かないことも珍しくありません。

 

 

そのなかで上に立つ人たちは、どうしても「根性で乗り越える」という空気をまとっていて…

正直なところ、内科にいた私でも少し息苦しく感じていました。

 

それでも医師という仕事を続けていられるのは、この仕事が好きだから。

ただ、続けていくためには「自分の生活」や「心の余裕」をどう守るかが大事だと、

あのころから考えるようになりました。

 

私にとってその一つの答えが、現物投資でした。

お金を増やすためというより、

「働いていない時間にも、自分を支えてくれる柱がある」ことが心強く感じられます。

診療の合間や家で娘と過ごすときに、その安心感がふっと背中を押してくれるのです。

 

仕事の現実とやりがいのあいだで揺れる毎日。

だからこそ、自分を守る工夫を少しずつ積み重ねていくことが、

これからも大切なのだと思います。

 

少し涼しくなって夕方は過ごしやすいですね。

毎日頑張って過ごしましょう!

Poppy