↓こちらの続きになります。



自宅退院先で揉めた例


80代女性、悪性リンパ腫末期で、PS3程度まで下がっており、車椅子移乗も介助が必要な状態でした。

もう、積極的治療はしないと決めた方でしたが、自宅療養は介護保険のサービスを利用しながらなんとか可能かなーというレベルでした。


きっと、これまでは母親として素晴らしい方だったのでしょうね。


長男さん、長女さんともに結婚してご家族持ちでしたが、2人とも、お母様を引き取って、自宅療養させたいというご希望でした。


自宅療養のためには、訪問診療と訪問看護の手配や、必要な家のリフォーム手続きなどソーシャルワーカーやケアマネージャーとの面談が必要となります。


病院では、患者さんのご家族と連絡を密にして打ち合わせをするんですが、長男さん、長女さんがどちらも『我が家で療養させます』と言い張り、それぞれが打ち合わせの日程調整をし始めたのです。


もう、喧嘩というか、

『あちらを無視して下さい』とか言い出すし、話し合いにもなりません。


私たち病棟スタッフは、お二人一緒に面談して、決定しようとするのですが、拒絶され

本当に困りました。


結局のところ、患者さんであるお母様のご希望で、長女宅に引き取られることになりましたが、

長男さんは

「もう、縁を切りたいと思います」と

今後一切連絡を取らない約束まで妹さんと交わしてしまいました。


そこまでは、兄妹間の問題に病院は介入できませんからね。


お母様も嫌な気持ちしかない状態だと思いますし、仲良く助け合えないのかなぁという思いがありましたが、兄妹間には、他人には立ち入れないしがらみがあるんでしょうね。


もう、5年以上も前のことになりますけど、思い出すと胸が痛くなります。

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