「そういえば、カイくんはどこに行ったのかしらぁ?
さっきから見当たらないけどぉ。」
カリンが首を傾げた
言われてあたしも辺りを見渡したけど、カイの姿は見つからない
「 トイレじゃないの~?」
あたしが言うと、チトセがバカにしたような目であたしを見た
「 お前じゃねーんだから。
カイなら落し物したとか言ってそこらへん探しに行ったぞ。」
落し物…
たぶん、ちがう
あたしはさっきのカイの言葉を思い出す
“ 任せろ ”
カイは試験の邪魔をするために、一体なにをするつもりなのだろう
あたしが急に黙ったもんだから、チトセは訝しげにあたしを見ている
そして花に夢中になっているカリンを横目で見たあと、あたしに顔を近づけて囁いた
「 お前、なんで最近カイと仲良いの?」
「 はぁ?」
突拍子もないチトセの言葉に、あたしはつい変な返事をしてしまう
あたしは今までと変わらないつもりだけど…
「 なんでそんなこと聞くの? 」
あたしが首を傾げると、チトセは眉を寄せて不機嫌そうな顔で別に、と呟いた
( 一体なんなの?)
チトセの言い方が引っかかる
まるであたしとカイが仲良くするのが気に食わないみたいな…
もしかして、やきもち?
…な訳ないか
「 おおーい 」
後ろから声が聞こえた
カイが戻ってきたようだ
あたしとカリンが振り向いて立ち上がる
「 探し物は見つかったのか?」
チトセが聞くとカイはにっこり笑って親指を突き出した
「 遅くなっちまってごめんなぁ。じゃあ、進むとしますか。」
そう言って歩き出したカイの後に続くように、あたしたちも歩き始める
でもあたしの心の中にはあいかわらず一つの疑問が
こっそりとカイのそばに寄って、耳打ちする
「 一体何してきたのよ?」
あたしの言葉に、カイはひょいと肩をすくめた
「 まぁ、すぐわかるって。」
どうやらあたしにも教える気はないみたい
カイはいつもと変わらない様子で、腕を頭の後ろに組んでいる
( 何よ…あたしには教えてくれてもいいじゃん。)
少しさみしい気持ちを抱えながら、あたしは揺れるカイの背中を見つめた