アメリカのペア、ダンスチーム事情*動機と始まり編

コメントをお寄せくださった、ディーさんからのご質問です。
お嬢さんが通っているクラブを含めてアメリカでは、ペアやアイスダンスについては、カップルを若いというか早い時期から組ませて練習させているんでしょうか。それともシングルでは無理だと感じた選手が転向というかたちでやっているんでしょうか。
日本のフィギュア界は男子シングルと女子シングルが世界トップクラスですが、ペアとアイスダンスが今一つです(先日の四大陸では渡辺&木戸組が4位に入りましたが)。日本で強いカップルがでないのを残念に思うファンのひとりです。・・・・・
アメリカでは、ペアのオフィシャルな競技会はJuvenileのディビジョンからあります。
Juvenileはシングルだと12歳までですが、ペアは年齢制限がもう少しゆるく(多分14,5歳まで)このディビジョンで競技できます。
シングルと比べたら、競技人口はさすがに少ないですが、小さい時から興味のある選手はトライアウトを経て、ペアチームを組みます。
中には、トライアウトはせずに、たまたま一緒のリンクで練習をしていたから、または同じコーチについていて、コーチから勧められて始めるチームもあるようです。
娘のクラブには、去年3つのペアチームがJuvenile,Intermediate,Noviceの各ディビジョンにいて、練習していましたが、最年少のチームは11歳の女の子と13歳の男の子でした。
このチームは、次のシーズンもJuvenileで続行予定です。
娘のクラブでは、後もう一組10歳の女の子と8歳の男の子のアイスダンスチームが昨年結成されました。
このチームは、タニス&ベンのBigファンである男の子の方が、半年ほどパートナーを探していて、実はうちの8歳の次女(当時7歳)にもオファーが来たのですが、アイスダンスのレッスン費まで出す余裕がなかったので、トライアウトもせずに諦めました。(苦笑)
このチームは、女の子の方が少し背が高いのですが、このディビジョンならそれもご愛嬌(笑)こちらもなかなかCuteです。
ペアを始める選手は、体の小さい女の子が多いのですが、男の子の方は、若いうちは体が小さくても頭上に女子選手を上げるリフトがないので十分にやっていけます。
なので、ペアを始めるにあたり、ロシアや中国では選手の能力を見極め(一説には三世代前まで遡り体系などを調べ)比較的早いうちにペア転向を進めるといった感じで始めるケースは少ないと思います。
このディビジョンは、ジャッジもユニゾを評価することにウエイトを置き、危険なエレメンツが少ないので安心してみていることが出来ます。それにやっぱりかわいいし・・・
楽しみながら、一つの経験としてやってみよう!やってみたいというスケーターは結構いるようです。
動機は、純粋にやってみたいから、シニアのペアチームまたは、身近にいるペアチームにあこがれて始めるというケースが、若いチームの場合殆どです。
例外的に、競技人数が少ないので、それほど苦労せずとも全米選手権に勝ち進めるチャンスがあるといった打算(本人よりも親やコーチによるものが)働いて始めるケースもあります。
でもこれがもう少し上のディビジョンになると、動機が変わってきます。
名前は挙げませんが、アメリカのシニアレベルでTopクラスだった女子選手が、昨シーズンを怪我で棒にふったあと、ペア転向を考えてトライアウトをしてみたという話が伝わってきました。
もう1人、全米シニアで数年前に2位になった選手も同様の理由で同じ男子選手とトライアウトをしたようですが、彼がパートナーに選んだ選手は、なんと日本のシニアの女子選手で、結局ペアチーム結成には至りませんでした。
昨年出されたフィギュアスケート関連の本を読破されていたら、この3人の女子選手が誰なのかわかってしまいますね。(苦笑)あと、以前この日本女子選手については、エントリーを出したことがありますので、それを読んだ方にも・・・。実はその女子選手とのチーム結成を、心から楽しみにしています。
このジュニア、シニアのレベルでのソロからペアへの転向で、理由、動機として考えられるのは、エレメンツのちがいにあると私は思っています。
ペアの選手の場合、ジャンプの種類でトリプルループまでが飛べれば、難易度の高いフリップ、ルッツ、トリプルアクセル、トリプル+トリプルのコンビネーションがなくしても十分にコンペティティブにやっていけます。
怪我の後に調子が戻らない選手で、体系的にペアに向いていると思われる選手には、ペアに転向するというのも一つの選択肢のようです。
とはいえ、リフトや投げ技など、よりリスクの高いエレメンツを一から学んでいかなくてはならないので、とても険しい道であることには変わりないのですけどね。
今シーズンの全米選手権に出場した、あるシニアダンスチームは女子選手が昨年まではシニアでペアをしていたというチームがありました。
彼女は昨シーズンが終わったあと、ペアをやめていたのですが全米の半年前にアイスダンスに転向して、全米選手権まで勝ち進んできました。
半ば奇跡に近いとまで言われたケースですが、この女子選手の場合、ペアをやめた理由に背が少し高くなりすぎたということもあったようです。(苦笑)
純粋にやりたいから・・・
打算が働いて・・・
怪我からの復帰をかけて・・・
動機はいろいろ違いますが、こういった若い選手~シニア新チームの中から、コンペティティブなチームが生まれてくるのが、アメリカのペアとアイスダンスのフィールド(土壌)です。
